2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヘーゲル美学の発展史的究明に重点をおいた近代美学の成立過程と思想構造に関する研究
Project/Area Number |
14710026
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
小川 真人 東京工芸大学, 芸術学部, 講師 (30339808)
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Keywords | ヘーゲル / 美学 / 悲劇 / シェリング / 弁証法 / 社会的矛盾 / 革命 / ヘルダーリン |
Research Abstract |
本研究遂行第二年度にあたる平成15年度においては、国内外におけるヘーゲル美学関連を中心に文献調査研究を進めるとともに、学会等でその研究成果の発表にのぞむことで、中間的総括を果たすとともに、研究諸家との議論による研究の深化進展に努めた。 平成15年7月に大阪学院大学で開催された第12回日本シェリング協会大会では、第一日目(7月5日)のクロス討論【美学VS文学】<悲劇の諸相>の提題者として、「ヘーゲル哲学における<悲劇的なもの>の思索-その位置と意義-」の口頭発表をおこなうとともに、神戸大学教授水田恭平氏とのクロス討論にはいった。水田教授をはじめ、フロアから寄せられた指摘には、今後の本研究の遂行にとって有益なものが少なくなかった。このクロス討論の口頭発表は、日本シェリング協会機関誌『シェリング年報』に掲載公刊の予定である。 同年10月に成城大学で開催された美學會全国大会では、第一日目(10月11日(土))に拙著『ヘーゲルの悲劇思想』に関する書評セッションが組まれ、これに執筆者としてのぞんだ。まず私が「「ヘーゲルの悲劇思想」の視点」という口頭発表をおこなった後、評者である京都大学教授岩城見一氏と岡山大学教授山口和子氏から本書の内容論述に関して、様々な指摘を受け、フロアを含め活発な討論をおこなった。これらの貴重な助言等は、本研究のさらなる進展にとり重要な意味をもつものであったので、今後の研究実施に生かしていきたい。
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