Research Abstract |
1 新聞電子化コーパスとWebを中心とした単語頻度の計量 外的語彙の特徴について調べるために,電子化テキストを対象とした調査を進めた。 まず新聞電子化コーパスに関しては,継続購入をしている毎日新聞,日経新聞の2002年分に加え,読売新聞5年分を新規購入し,研究利用に適した形に整備した。そのうえで,カタカナ綴りに関して,毎日,朝日,読売,日経の4紙を対象とした紙面差の分析と,毎日,読売,日経の3紙を対象とした時系列変動の分析とを進め,多くの紙面差と複雑な時系列変動とが存在することを見いだした。 またWebの分析では,サーチエンジンGooおよびGoogleを用いて,大規模単語セットについて様々な検索パタンでヒット件数を調べ,有用性の高い頻度情報の抽出と,単語相互の関連の分析をを行った。 2 単語認知課題と質問紙調査に基づく語彙特性の分析 内的語彙(心的辞書)の特徴について調べるために,単語認知実験と質問紙調査を行った。 具体的には,1600のカタカナ単語を対象とする語彙判断課題(go/no-go lexical decision task ; Perea & Gomez,2002)と,単語の主観的親近性,主観的頻度の調査に関して,手続きを改善しつつ,昨年度に引き続きデータの拡充を行い,単語認知データベースの構築を進めた。このデータと,1の結果とを基礎として,単語の特性に関する既存の指標(e.g.,親密度,表記妥当性,頻度)の妥当性について検討し,問題点を明らかにした。
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