2003 Fiscal Year Annual Research Report
健常児と自閉症児におけるチャンクの発達過程について
Project/Area Number |
14710042
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川合 伸幸 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助手 (30335062)
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Keywords | 発達 / 記憶 / 自閉症児 / チャンク / 系列反応 / 数字 |
Research Abstract |
健常児と自閉症児のチャンクの発達過程について検討した。平成15年度は、主として自閉症児を対象とした実験的研究をおこなった。小学校入学前後の自閉症児を対象に、コンピュータ画面上に1〜5個の、1〜9までの数字を呈示し、画面を触ることによって小さい数字から順に選択させた。その結果、いずれの子どもも刺激系列の第一項目への反応時間がもっとも長く、他の項目の反応時間はすべてほぼ同じであった。これらのことは、自閉症児も最初の反応をする前に、行動の計画をたてる「一括処理方略」を採っていることを示唆している。そこで、序列化が必要な課題において「チャンク」を行うかを検討するために、刺激系列のすべての数字が異なる条件と、系列に同じ数字が含まれる条件を比較した。その結果、自閉症児の行動は、すべての数字が異なる条件(e. g.,1-2-3-4-5)では、呈示される数字が多くなるほど第一項目への反応時間が直線的に増加したが、すべての数字が同じ条件(e. g.,1-1-1-1-1)では、呈示された数字の数にかかわらず、第一項目への反応時間が1定になり、「チャンク」の効果が認められた。このことから自閉症児は、数字の順序づけを行う系列課題において、同一項目があれば、それらを「まとめて1つの順序」とする「チャンク」を行うことが示唆している。 以上の研究から。全体的・統合的に知覚や認知が苦手とされる自閉症児も、同年齢の健常児と同じ時期から、序列化に関する「チャンク」を行うことが示唆される。 その他、自閉症児とヒト型ロボットとのインタラクションの観察なども行った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Matsuno, T., Kawai, N., Matsuzawa, T.: "Color classification by chimpanzees (Pan troglodytes) in a matching-to-sample task."Behavioural Brain Research. 148. 157-165 (2004)
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[Publications] Kawai, N., Kono, R., Sugimoto, S.: "Avoidance learning in the crayfish (Procambarus clarkii) depends on the predatory imminence of the unconditioned stimulus : a behavior systems approach to learning in invertebrates."Behavioural Brain Research. 150. 229-237 (2004)
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[Publications] Kawai, N., Morokuma, S., Tomonaga, M., Horimoto, N., Tanaka, M.: "Associative learning and memory in a chimpanzee fetus : Learning and long lasting memory before birth."Developmental Psychobiology. 44・2. 116-122 (2004)
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[Publications] Kawai, N.: "Action planning in humans and chimpanzees but not in monkeys"Behavioral and Brain Sciences. (印刷中). (2004)
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[Publications] Morokuma, S., Fukushima, K., Kawai, N., Tomonaga, M., Satoh S., Nakano, H.: "Fetal habituation correlates with functional brain development."Behavioural Brain Research. (印刷中). (2004)
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[Publications] 坂田陽子, 川合伸幸: "対話を伴うビデオ映像を幼児はよく憶えるか?"発達心理学研究. (印刷中). (2004)
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[Publications] 川合 伸幸: "心理学最先端:チンパンジーから迫るヒトの心の輪郭「新版心理学がわかる。」"朝日新聞社. 2 (2003)
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[Publications] 川合 伸幸: "Millerのコンパレータ仮説「学習心理学における古典的条件づけの理論-パヴロフから連合学習研究の最先端まで-」第8章"培風館. 20 (2003)