2002 Fiscal Year Annual Research Report
集団の構造化過程における人間関係メンタル・マップに関する研究
Project/Area Number |
14710077
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
石田 靖彦 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (10314064)
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Keywords | コンピュータ媒体コミュニケーション(CMC) / 親密化過程 / 性格特性の認知 / 関係性の認知 / 大学生 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
本研究では、コンピュータを媒介としたコミュニケーション(以下、CMC)において、どのような性格特性がCMCの様相に関連するのか、また、他の成員の性格特性の推測や、成員間の人間関係の推測(好意度評定の推測)がどのような情報に基づいて判断され、どの程度正確に判断されているのかを検討することを目的とした。 実験の実施方法は、お互い面識のない大学生14名を実験対象として、約3週間、インターネット掲示板上でコミュニケーションを行わせた。その間、実験開始後6日目、実験最終日に、(a)自己の性格評定と、他の成員の性格評定の推定、(b)他の成員に対する好意度と、他の成員間の好意度評定の推定に関する調査を行った。掲示板上のコミュニケーションについては、発信日時、発信回数・発信文字数、発信相手、コミュニケーションの内容(学業関連、趣味、人間関係etc.)などを分析・集計した。 その結果、(1)自己の性格と掲示板上のコミュニケーションの関連については、自己の外向性と情緒不安定性、誠実性が、コミュニケーションの発信数や内容に関連すること、(2)他の成員の性格評定は、コミュニケーションの発信数や内容から推定され、特に外向性や調和性が推定されやすいことが示された。一方、自己の他の成員に対する好意度、他の成員間の好意度の推定と、掲示板上のコミュニケーションの関連については、(3)好意を持っている相手に対して、多くの発信や特定の内容を発信しているわけではないこと、即ち、他の成員に対する好意度とコミュニケーションとはあまり関連しないことが示された。しかし、(4)他の成員間の好意度の推測は、実際の好意度を反映していないにもかかわらず、発信相手への発信数や発信内容から判断されていることが示された。
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