2003 Fiscal Year Annual Research Report
集団の構造化過程における人間関係メンタル・マップに関する研究
Project/Area Number |
14710077
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
石田 靖彦 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (10314064)
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Keywords | 学級内の交友関係 / 親密化過程 / 適応感 / 中学校新入生 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
平成15年度では、中学新入生の親密化過程を縦断的に測定し、学級内での友人関係の親密化過程や仲間集団の形成過程について検討した。また、同じ仲間集団に所属することで、生徒同士にどのような影響が認められるのかについても検討した。 研究の方法と手続きについては、入学当初、お互いにほとんど面識のない生徒で構成される中学校の新入生を対象として選定し、入学してから1ヶ月後の5月期と、入学してから7ヶ月後の10月期の2回にわたって、学級内の友人関係をソシオメトリック的な手法によって測定した。また、学業に対する興味関心や学級内での適応感については、同時期に質問紙調査法により収集した。以上のデータを分析したところ、以下のことが示された。 1.女子については、自分と類似した生徒と交友する傾向があり、類似した者同士で構成される、凝集性の高い仲間集団を形成しやすいことが示された。一方、男子では、類似した友人と交友する傾向は認められず、形成される仲間集団も大きく、かつ構成メンバーが入れ替わるなど、女子にくらべて流動性が高いことが示された。 2.同じ仲間集団に長期間にわたって所属することによる影響については、男女とも、それほど大きな影響は見られなかった。ただし、教師との関係などの学級に対する適応感については、仲間集団の影響が認められ、適応のよい集団に所属している生徒の適応感は上昇し、逆に適応の悪い集団に所属している生徒の生徒の適応感は低下する傾向があることが示された。
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Research Products
(1 results)