2002 Fiscal Year Annual Research Report
協同学習による学習障害児支援プログラムの開発に関する研究―学力と社会性と仲間関係の促進の観点から―
Project/Area Number |
14710117
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
涌井 恵 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 知的障害教育研究部, 研究員 (80332170)
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Keywords | 学習障害児 / 協同学習 / 仲間関係 / 社会的スキル / 学力 / 集団随伴性 |
Research Abstract |
本研究に関連する先行研究及び関連資料の収集を行った。主に、米国におけるインクルージョン教育場面における協同学習のプログラム内容に関する資料の収集を行った。 また、学習障害児の在籍している通常学級や情緒障害・言語障害通級指導教室、知的障害・情緒障害特殊学級における集団指導に関する情報を収集し、学習障害児支援プログラムを学校場面で実際に適用する場合の配慮点について探った。 また、学習障害児支援プログラムの中核的指導技法となる集団随伴性についての先行研究概観を行った。加えて、発達障害児集団に集団随伴性を適用する際のガイドラインをまとめた。それらを基に、対象児に適合した集団随伴性操作を教師が選定するためのチェックリストを作成した。 また、ペア単位の協同学習による予備実験の検討により、対象集団に置いて別々の課題を行うことは可能であったが、教師が混乱しがちであることが指摘された。また、協同学習に適した学習課題や学習障害の認知特性によるペアリングについての検討が今後の課題として挙げられた。加えて、教室場面で必要となる社会的スキルのリストについてまとめることが今後の課題である。そのことが明らかになることによって、協同学習プログラムに組み込むべき指導内容をどのようなカリキュラムにより構成すればよいかの示唆が得られるだろう。
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