2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710130
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川野 英二 大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (20335334)
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Keywords | 地域通貨 / 相互扶助ネットワーク / 社会的紐帯 / フランス / SEL / RERS |
Research Abstract |
国内の地域通貸調査についてはすでに実施しているため、平成14年度は、平成15年度の計画を前倒しし、来年度の本格的調査にむけた予備調査をフランスで行なった。実施した調査内容は、インタビュー調査、地域調査、資料収集である。 調査概要 1 海外調査(平成14年8月18日〜9月2日) (1)平成14年8月21日〜25日にフランスで行なわれた地域通貨関係者の会合であるIntersel(アヌシー郊外)に参加し、SEL(地域交換システム)の現状調査と関係者との意見交換を行なった。またこの際、ワークショップで日本の地域通貸の現状についての報告も併せて行なった。 (2)パリのSELの関係者・参加者にたいするインタビュー調査およびSELのミーティングに参加し、聞き取りを行なった。 (3)パリ市内および近郊のRERS(知識の相互交換ネットワーク)の関係者に聞き取り調査を行なった。 (4)フランス国内で公刊されている地域通貨関係資料の収集につとめた。 以上の調査の過程で、ビデオとカメラによる記録を行なった。 2 文献調査 文献調査をつうじて、フランスおよびドイツ国内における地域通貨の位置づけを把握することにつとめた。 実施成果 本年度のフランスにおける地域通貨の調査を通じて明らかになったことは、SELとRERSはともに、フランスの法制度枠内における「アソシアシオン」法人という形態をとることが多いこと、またいずれも「社会的紐帯」の形成を目的・結果としていることに共通点が見出せたことである。またフランスにおいて地域通貨は独自の歴史をもっており、さらに近年では「連帯経済」の取り組みの一部として地域通貨が位置づけられていることが明確になった。こうした結果から、本年度内に「フランス『地域通貨』と社会的連帯の経済」として論文を発表することができた。
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