2002 Fiscal Year Annual Research Report
北海道在住アイヌ民族の生活実態と北海道ウタリ福祉対策に関する研究
Project/Area Number |
14710158
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 泰郎 広島国際学院大学, 現代社会学部, 講師 (80281765)
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Keywords | 先住民族 / アイヌ / ウタリ福祉対策 / 北海道 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は主として以下の3点である。 第一に、ウタリ福祉対策とその前身である北海道不良環境地区改善事業について、資料収集を行うとともに関係者に対して聞き取り調査を行った。今年度収集したおもな資料は、北海道や各支庁、札幌市の行政関係の資料、アイヌ民族に関して北海道が設置した各種審議会の議事録、北海道ウタリ協会などの団体が発行する会報や総会資料、戦後の北海道議会や札幌市議会の議事録などである。しかし、施策が行われるに至った経緯や施策の実施過程について、これらの資料によって明らかになる部分は当初予想していたよりも少なかったことから、行政や運動団体の関係者を対象とした広範な聞き取り調査に重点を置いて研究を進めた。こうした聞き取り調査については、今年度は日高支庁などを対象として予備的に行うにとどまった。 第二に、アイヌ民族の生活実態について、来年度以降の本格的な調査の準備作業として、運動団体の関係者などを対象に聞き取り調査を実施した。札幌市、旭川市、日高支庁などを中心に実施したが、北海道の状況との比較を目的として、首都圏に居住する関係者についても聞き取りを行った。 第三に、アイヌ民族を対象としたこれらの施策を実施する際にモデルとされた同和対策事業に関しても、資料収集を行った。これについては、今年度は事業の概要を把握するにとどまった。
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