2002 Fiscal Year Annual Research Report
占い依頼者の属性・相談内容・問題(不安)処理方法についての社会学的研究
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14710162
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
種田 博之 産業医科大学, 医学部, 講師 (80330976)
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Keywords | 占い / ジェンダー / 心理学化 / 社会層 |
Research Abstract |
今年度は複数の占い施設-占い学校および「占いの街」のような占い集合施設の責任者の方と占いの依頼者の方から聞き取り調査を行った。調査から、今日、占いをとりまく状況に変化が生じつつあることが窺える。近年、インターネットで占い関係のサイトが増え、とくにインターネット上で「無料」で占いができるサイトが多数あり、そのために「占いの街」のような施設の閉鎖が相次いでいるようである。実際、検索エンジン(YAHOO)で調べると1000件を超え、今や占いの媒体として重要性を帯びていることがわかる。これは依頼者の占いへのアクセスチャンネルが増えたことを意味する。占いに関心のある方(直接占い師の方に占ってもらったことはない)から話を聞くと、占いへのアクセスチャンネルはいくつかあるようである。第一にTVの情報番組からの取得である。(これを見なければ一日が始まらないという方から、どうしてもというより気がつけが見るという方まで温度差がある)、第二に本ないし雑誌で、この場合も温度差がある(投稿欄などに投稿をする方とも差がありうる)、第三がインターネット(占い関係の雑誌であれば購入する方と行為パターンは同じかもしれない)で、第四に占い師である。このように異なるチャンネルで占いの需要・受容がなされている。そして、チャンネルごとにそれぞれ異なる社会層である可能性があり(需要・受容は同じ特性を持っているかもしれない)、この点に留意しながら、調査・分析を行っていかなくてはならない。また私が以前指摘したように、今回の調査でもとくに需要・受容者の9割以上が女性であり、「占いの女性化」を確認することができた。今後の継続的な調査で、現代社会の中で女性にとって占いがどのような役割をはたしているのか、明らかにしていきたい(その反対の問い-男性の占いに対しての認識-にも留意する必要があろう)。
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