2002 Fiscal Year Annual Research Report
多文化教育理論と実践モデルの構築に関する研究―日豪比較を手がかりとして―
Project/Area Number |
14710177
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
見世 千賀子 東京学芸大学, 国際教育センター, 講師 (80282309)
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Keywords | オーストラリア / 多文化教育 |
Research Abstract |
本研究の1年めである今年度は、研究の枠組みをより精緻なものとするため、主に、先行研究の検討および現状の把握を行なった。日本における多文化主義、多文化教育および外国人児童生徒教育等に関する文献を収集し、多文化教育に関する先行研究の検討および、多文化教育実践の現状の把握を行った。また、オーストラリアおよびアメリカを中心に、多文化教育に関する文献を収集し、多文化教育に関する先行研究の検討を行った。また、収集した文献の整理をパーソナル・コンピュータで行った。さらに、オーストラリアにおける多文化教育の現状を明らかにするために、2月から3月にかけて、文部科学省による他の補助金を得て、先進的な取り組みを行っているメルボルン、シドニー、アデレード、ブリスベンを訪問し、調査を行った。訪問先では、各州教育省の多文化教育担当官と面会し、各州の多文化教育政策および実践に関する最新の資料を入手するとともに、現状についてのレクチャーを受けた。 また、南オーストラリア大学およびメルボルン工科大学を訪問し、多文化教育関係の研究者と面会し、オーストラリアの多文化教育の現状について議論し、研究へのアドバイスを頂いた。また、各州において、初等・中等学校を訪問し、多文化教育、バイリンガル教育、第二言語としての英語教育等の授業を観察した上で、授業担当教師に実践に関するインタビューを行った。今回の訪間を通して、オーストラリアにおける多文化教育の取り組みは、これまで付加的に行っていたところから、多文化教育を学校教育全体に関わるパースペクティブとして捉え、その観点から教育全体の見直しを図ろうという動きに変わってきていることが明らかになった。
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