2002 Fiscal Year Annual Research Report
タイにおける1999年国家教育法による「教育の質の向上」に関する実証的研究
Project/Area Number |
14710178
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Research Institution | 東京商船大学 |
Principal Investigator |
森下 稔 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (60300498)
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Keywords | 教育の質の保証 / 教育機関評価 / カリキュラム / 国際研究者交流 / タイ / 教育改革 / 比較教育学 |
Research Abstract |
1.タイの教育政策に関する基礎資料の収集・整理・分析 タイにおける「教育の質の向上」に関連する基礎資料を国内調査・現地調査・インターネットにより収集し、前年度までに収集したものと合わせて、整理・分析した。特に重要な『仏暦2544(2001)年基礎教育カリキュラム』および『仏暦2542(1999)年国家教育法改正版(2002年12月)』を日本語訳した。 2.研究打ち合わせ会議(タイ人教育学研究者の招聘) 12月にナレスエン大学教育学部チャンタナー助教授を日本に招聘し、本研究に関する意見交換のための討議を行った。また、現地調査計画の立案を行った。 3.現地調査(タイ) 2月に現地調査を行った。上記新カリキュラムの実施状況の視察・教員へのインタビュー、教育行政担当者へのインタビュー、地方分権政策の進捗状況の把握、学校の自己評価・外部評価の実施状況の把握を現地の大学、文部省、国家教育委員会事務局、教育水準・質の保証評価事務局、基礎教育段階の学校において調査した。 4.研究成果 以上のうち、1・2の成果を11月九州教育学会第54回大会で、「タイにおける教育の質の評価・保証制度の導入-『教育水準・質の評価保証事務局』の意義・役割-」と題して研究発表し、さらに同学会研究紀要に3の成果を含めた論文を投稿中である。その要点は、「教育の質の向上のために、カリキュラム編成権を委譲された学校は、内部評価・外部評価および保証のプロセスを通じて、改善に取り組む意識が醸成されている。この点に日本の教育が学ぶべき点がある」というものである。
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