2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710202
|
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
宇田 幸子 (北野 幸子) 広島国際大学, 医療福祉学部, 講師 (90309667)
|
Keywords | 保育者教育 / 保育 / 乳幼児教育学 / 日米比較 / 専門職化 |
Research Abstract |
本年度はBank Street College、National Association for the Education of Young Children、National Association for Early Childhood Teacher Educators、National Board for Professional Teaching Standards、日本保育協会、全国日本私立幼稚園連盟、全国ベビーシッター協会における保育者の現職教育・研修の実態を調査した。 結果、日米の乳幼児保育・教育従事者の現職教育・研修における違いが明らかになった。 日本では再教育・研修が役職等の認定システムや待遇と直接的には関連しておらず、各人・各施設の主体的学習としての性格が強い。具体的テーマは、今日の教育課題である、児童虐待問題、地域子育て支援・カウンセリングが多かった。一方アメリカでは、現職教育と研修が待遇や多様な認定資格と深く関連づけられている。専門組織による研修会や講演会は両国とも多数あるが、資格認定との関連に大きな違いがある。これは、養成システムの差に依拠すると予測される。 日本では、保育所や幼稚園で働くためには資格が必須で、養成段階でこれを得る。他の保育プログラムは、少ない。認可外保育所への運営報告も2001年より義務化された。一方アメリカでは、乳幼児保育・教育プログラムが15種類以上あり養成も多様である。任用資格も州により異なる。資格自体が多数あるので、職につきながらも資格取得をめざす。アメリカにおける保育者の質の管理や維持、向上への動機が高い理由はここにあると考えられる。実際、分析した専門組織においては、認定システムが有効に機能していた。 次の課題は、保育者の現職教育・研修にあたる専門組織と行政(政策)との関連、高等教育機関の機能、現職教育・研修メディアとしての専門誌に関する比較検討である。
|
Research Products
(1 results)