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2003 Fiscal Year Annual Research Report

中近世城郭における整地とその背景

Research Project

Project/Area Number 14710282
Research InstitutionOsaka City Cultural Properties Association

Principal Investigator

平田 洋司  (財)大阪市文化財協会, 調査研究部, 学芸員 (80344373)

Keywords城郭 / 整地 / 労働力
Research Abstract

メインのフィールドとなる大坂城については、昨年度来集積してきた遺構面の標高データをもとに図化作業を開始した。削平が主となる高い部分の整地については、豊臣期以前の遺構の残存状況をもとに、削平の程度を判断した。豊臣前期における整地は防御機能を高めるためのもの、後期における整地は平坦面の造成に主眼のある居住区域の拡大のためのものと、これまで漠然とイメージしていたことが視覚化されつつある。豊臣前期にあっては、城郭本体および防御施設周辺にのみ重点的に整地が行われており、随所に谷地形が残されたままであるが、豊臣後期では、城郭全体に整地が及び、残されていた谷地形は平坦にされていることが追認できた。この作業は、整地土の出所、移動距離を探ることを可能とし、動員された労働力の程度を推定することに目的をおいたものである。
また、今年度は滋賀・福井・名古屋・岐阜の諸城を訪問した。山城・平城など類型の異なる諸城を実際に踏査することにより、基本的には、各城ともに山・河川などの旧地形を効率よく利用していることがわかった。ただし、整地のありようについては山城と平城とでは大きく異なっていると思われる。城郭を築造する際、平坦面を造成するのは同様であるが、山城にあっては必要最小限であることが多く、意図的に急傾斜を残している。これは単に土木量の軽減というだけでなく、防御機能を重く見たためであろう。一方、平城については傾斜をなくし、広い平坦面を確保することに主眼があり、防御については、堀・石垣などを構築することにより、目的を達しており、性格の適いが窺える。時期的な変化については、旧地形を残す整地から平坦面を多く造成する整地へという流れがあり、防御重視の軍事目的の城から地域の支配・経営を行う城へと変化していくと考えられる。

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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