2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710283
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
光石 鳴巳 奈良県立橿原考古学研究所, 附属博物館, 主任学芸員 (70263548)
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Keywords | 縄文時代草創期 / 矢柄研磨器 / 有溝砥石 / 上黒岩遺跡 / 西江野A遺跡 / 桐山和田遺跡 |
Research Abstract |
今年度については、主に以下の4点について研究を進めた。 第一は愛媛県上黒岩岩陰遺跡出土資料のうち、国立歴史民俗博物館が所蔵する13点の土器、石器の資料化である。これについては、観察、図化を終え、雑誌論文のかたちで報告を予定している。 第二は、三重県菰野町・菰野町郷土資料館が所蔵する、同町所在の西江野A遺跡出土資料の基礎整理である。これらは、かつて山内清男が矢柄研磨器を論じる際に再三引用した資料であるが、これまでに正式な報告がなく、実体が不明であった。今回の基礎整理によって、石器は矢柄研磨器8点を含む507点、土器は破片総数98点を確認した。また、石器には240点あまりの石鏃を含んでいる。石器の器種分類、土器の型式認定などの作業はほとんどできていないが、今後継続しておこないたい。 第三は縄文草創期遺跡、ならびに遺物出土地点のデータベース作成であるが、これについては、関西縄文文化研究会が『縄文時代の石器』と題した集成資料を作成する旨を、作業開始直前に知り、これを基礎に細部を修正することとし、現在作業を進めている。また、本研究の対象には『縄文時代の石器』が対象としない地域についても含める計画であり、県単位での作業を進めている。 第四は、第二点とも関連するが、縄文草創期の有溝砥石に関する基礎的研究である。長野県仲町遺跡、岐阜県寺田遺跡、および奈良県桐山和田遺跡の出土資料の観察と記載、もしくは図化作業をおこなった。
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Research Products
(1 results)