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2002 Fiscal Year Annual Research Report

ヴィクトリア朝における家族パラダイムの変換の核としての従兄弟・従姉妹表象

Research Project

Project/Area Number 14710341
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

永富 久美  東京都立大学, 人文学部, 助教授 (60305399)

Keywords従兄弟 / 従姉妹 / 亡父の弟との結婚 / 亡妻の妹との結婚 / 身内 / 他人 / 長子相続 / 限嗣相続 / セクシュアリティ / 嫡出 / 庶出
Research Abstract

当研究では、主として19世紀イギリス小説のプロットを支える構成軸としての血縁・類縁関係のなかで、従兄弟/従姉妹の表象に着目するが、そのヴァリエーションとして、亡妻の姉妹もしくは亡夫の兄弟との(類縁関係の)結婚の禁止という法的規制の問題と同時に、縦軸としての相続の問題に視野に入れることによって、身内と他者のあわいにたつ従兄弟/従姉妹の位置付けをより明確に浮かび上がらせることを目指している。従って今年度は1.平成14年9月9日〜19日にかけて、ロンドンのブリティッシュ・ライブラリを訪問し、すでにほぼ終了済みの、亡妻の姉妹、亡夫の兄弟との結婚をめぐる一次資料の補足収集をおこないつつ、主に19世紀イングランドにおける長子相続、限嗣相続関連の資料収集をおこなった。
2.その際に、イギリスのサセックス大学教授Lindsay Smithと面談し、博士論文の全体の構想について意見交換をおこなった。
3.すでに分析済みのMansfield Park, Jane Eyreにおいては、縦軸としての相続の問題が後景に退いていたのに対し、今年度は相続が重要なプロットを担っているトロロープを取り上げ、なかでも従兄弟/従姉妹の関係が鍵となると思われるMr.Scarborough's Family, The Eustace Diamonds, Sir Harry Hotspur of Humblethwaite, Miss Mackenzieを中心に作品の読解分析をおこなった。
4.さらに上記の作品の分析をより強固なものとするために、結婚という横軸と、相続という縦軸の問題が緊密に絡み合っているMrs.Oliphantの短編小説を当時の雑誌から発掘し、議論展開の要として用いた。
5.その他にも、前章で論じるセンセーション・ノヴェルとの連続性を持たせるため、センセーション・ノヴェリストの一人であるM.E.Braddonが編集長を務めていたBelgraviaという雑誌をマイクロフィルムで調査し、相続、結婚をキーワードに、資料収集をおこなった。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 永富 久美: "消えた身内-トロロープにおける法と慣習"人文学報. 342. 81-106 (2003)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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