2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14710377
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
月田 尚美 愛知県立大学, 外国語学部, 助教授 (60305505)
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Keywords | セデック語 / 動詞 / 態(ヴォイス) |
Research Abstract |
3月の台湾現地調査で,セデック語の動詞300個ほどについて,接尾辞が付くときの語根の変化を確認した.動詞の活用表を作る準備が整った.接尾辞が付くときに次々末音節の母音がeに弱化する.これは規則的なものとしてとらえることができる.しかし,次末音節の母音がeに弱化することがあり,これについてはまだ規則が見つかっていない.今のところ不規則な変化と見ざるをえない.どの動詞がこの変化を起こすのかを確認した.まだ規則性は見出せていない.また,この言語には,幾通りかの語根末子音の変化がある.例えば何も接尾辞が付かないときにngで終わる動詞は,接尾辞が付くときにそのngがngのままのものとmに変化する,など.このような変化についても確認した.また,これまでに判っていなかった補充法的な交替が判った.'aNal「取る」は,1音節接尾辞が付く場合には規則的にNal-という形に変化するが,2音節接尾辞が付くとneN-という形に不規則に変化する.音位転換でも説明できない変化である. また,動詞の意味と連語関係を確認した.数年前の初期調査でははっきりしなかった点などもはっきりさせた.例えば「切る」を表す動詞でも,樹を切る,竹や枝の先のほうを切る,細長いものを切る,野菜や肉を切る,布や紙を切るなどで異なった動詞を用いる.また例えば、「掘る」では,下に向かって穴を掘るか,横方向または上にトンネルや穴を開けるか,何かを掘り出すかで異なった動詞を用いる. そして,それらの単語を元に簡単な例文を態と主語を変えて幾通りか作り,その可否を母語話者に可否を確認した.これまでの調査から予測できる範囲のものもあったが,範囲外のものもあった.今後,細かい点を確認する例文を作り,次回の現地調査で可否を確認する予定である.
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