2003 Fiscal Year Annual Research Report
異なる埋め込み環境における時制と相解釈の比較言語学的研究
Project/Area Number |
14710378
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
楠本 紀代美 弘前学院大学, 文学部, 講師 (50326641)
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Keywords | 時制 / 副詞句 / 量化子 |
Research Abstract |
時制の一致のない日本語とロシア語・ポーランド語との比較、そしてそれらの言語と時制の一致のある英語の比較分析により、Kusumoto 1999ではこれら三つの時制の一致のない言語間に見られる共通点は間接話法などの命題態度動詞の埋め込み環境に限られ、それ以外の環境、例えば、関係詞節や時の副詞節では、これらの言語は異なる振る舞いをすることが明らかになった。またそれを基に時制の一致の有無と埋め込み環境の種類が関連するという仮説が提案された。本研究の目的は研究対象言語に韓国語、ヘブライ語を含めこの仮説をさらに検証することである。本年度(15年度)は韓国語の名詞修飾構造の研究を継続するとともに、形容詞の研究も開始した。日本語と韓国語は、時制の一致のない言語の中では共通項が多いと考えられるが、その中での時の解釈や形容詞の意味解釈の違いはその埋め込み環境の違いであると提案したい。 また近年every Mondayなどの時を表す量化子について新しい理論が発表されたことを受け、時の副詞句も研究対象とすることにした。時の量化子と時制解釈の関係を考察することが時制現象の体系的な解明のためには不可欠であると指摘されている。 Kusumoto 2004では、時制と時の量化子を含む時の副詞句との作用域を考慮に入れることが正しい解釈のためには不可欠であると結論付けた。本年度は英語と日本語に留まったが、比較対象言語を増やし、また時の副詞句とbeforeやafterなどに導かれる時の副詞節との意味解釈の相互作用なども考えることで、さらに理解が深まることに期待したい。
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Research Products
(1 results)