2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14720025
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Research Institution | Fukuoka International University |
Principal Investigator |
深町 朋子 福岡国際大学, 国際コミュニケーション学部, 専任講師 (30310014)
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Keywords | 国家領域 / 国境画定 / ウティ・ポッシデティス / タールヴェーク / 領域紛争 / 国境紛争 |
Research Abstract |
本研究は、国家領域の限界を確定するプロセスのうち、陸地境界の画定における国際法の役割を、境界画定の適用法規という側面から考察しようとするものである。具体的には、現代国際法における陸地境界画定法理の存否、および存在するとすればその内容と機能を、それぞれ明らかにすることを目的としている。 本年度は、主として以下の項目について研究を進めた。 (1)「国家間の陸地境界画定において特定の境界の採用を義務づける国際法は存在しない」という理解が、学説において通説的名ものであったことを確認した。 (2)現代におけるウティ・ポッシデティス原則の内容および法的地位の確定と、領域論における位置づけの解明。この項目に関しては、(i)国際判例、とくに1986年(ブルキナファソーマリ)と1992年(エルサルバドル-ホンジュラス)のICJ判決、(ii)1992年のユーゴスラビアに関する仲裁委員会意見第3、(iii)近年の諸学説、とくにドイツとベルギーにおける研究、を対象にして研究を遂行した。 (3)陸地境界画定のための諸原則(タールヴェークや分水嶺など)の内容および法的地位を確定。この項目に関しては、(i)1999年(ボツワナ-ナミビア)のICJ判決、とりわけ両当事国が書面手続と口頭手続で展開した議論、及びその基礎となった諸研究、(ii)陸地境界画定の諸事例、を対象に研究を遂行している。 項目(1)および(2)については継続して研究を遂行し、次年度に総括する。
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