2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14730035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日置 史郎 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80312528)
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Keywords | 中国 / 経済改革 / 実験 / 試行錯誤 / 農村改革試験区 / 郷鎮企業 / 財産権改革 / 株式合作制 |
Research Abstract |
本研究課題は中国型経済改革の実験的・進化的特質を実証しようとするものである。本年度の課題は、中国農村改革試験区にて行われた郷鎮企業の株式合作制試験の実施過程に着目することで、中国型経済改革の実験的・試行錯誤的側面をすることである。本年度の主たる研究内容は以下の通りである。 (1)全国農村改革試験区弁公室に対する実地調査 まず試験区全体の概要を把握するために、(イ)農村改革試験区の設立から現在にいたる試験内容の全貌(どの試験区でどのような試験が行われたかなど)、(ロ)各試験項目の試験内容とその成否、(ハ)農村改革試験区の運営システム・組織概要を中心に、既存文献資料による情報収集を行うとともに、全国農村改革試験区弁公室に対してヒアリングを行った。 (2)山東省周村区農村改革試験区における実地調査 次に株式合作制の全国普及に対して最も大きな影響力をもった周村試験区に対する実地調査を行った。主要調査対象は、(イ)周村区改革試験区弁公室、(ロ)周村区王村鎮(鎮レベルでの試験概要)、(ハ)周村区李家村・東塘村(村レベルの概要)、(ニ)海天集団・恒星集団(企業レベルの概要)であった。主要調査内容は、1988年に開始した改革試験案の主要5項目((1)郷村集団所有企業の財産権の明晰化と株式合作化の実施方法の確立、(2)郷鎮集団企業の政企分離、(3)株式合作制企業のモデル定款の確立、(4)利潤分配メカニズムの確立、(5)郷鎮企業むけ地方株式市場の設立)をめぐって、(イ)試験方案の設計→(ロ)実施→(ハ)初期的結果→(ニ)修正試験方案の設計→(ホ)二次的結果→…(ト)最終的方案の確立・国務院への上申という実施過程を詳細に跡づけることであった。 上述のヒアリング・実地調査は、調査対象先の都合によって、2003年2月26日〜3月9日にかけて行われた。このため本課題についての研究成果発表は現時点(2003年3月12日)ではまだ行われていない。
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