2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本のベンチャー・ビジネス起業活動に関する実証研究
Project/Area Number |
14730099
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
馬 駿 富山大学, 経済学部, 助教授 (00303206)
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Keywords | ベンチャー・ビジネス / 起業家 / 流動性制約 / 人的資本 / 起業活動 |
Research Abstract |
今年度は当初の計画通り研究を進めてきた。 具体的に、まず東京社会科学研究所付属日本社会研究情報センターのSSJデータアーカイブから国民生活金融公庫によって行われていた「経営者の性別による企業活動の特徴に関するアンケート」個票データを提供してもらい、その個票データに基づき、経営者のキャリアや家族構成などを切り口として,起業活動や経営活動の特徴などを明らかにしようとする統計分析を行っているところである。 そして、帝国データバンクから1990年から2003年までの14年間倒産したベンチャー企業のデータ(経営者のキャリアデータと企業の財務データ)を購入し、現在、ベンチャー・ビジネスを失敗する要因を統計的に探ってみている。 また、昨年度『日経ベンチャー・ビジネス年鑑』に掲載されている情報に基づいて行ったベンチャー・ビジネスの基本状況に基づき、1500社のベンチャー企業を抽出し、そしてWEB上から入手したジャスダック、マザーズまたはヘラクレスに上場した企業1100社を抽出し、合計2600社を対象にアンケート調査を実施した。現在、アンケートを回収しているところである。 さらに、日本国内だけではなく、海外に進出しているにベンチャー企業も含めて、数社のベンチャー企業に対して聞き取り調査を行った。 今後、アンケート調査により得られた起業活動を行う前の個人情報と起業後の企業情報をリンクし、パネル・データを作成する。そして、以上得られた3つのデータセットを用いて人的資源と財務的資源という2つの視点から起業活動に影響を与える要因について計量分析を行う。他方、アンケート調査によって得られた結論を参考にして、その内の代表的な企業10数社を抽出し、聞き取り調査を行い、計量分析から得られた情報と照らして、企業活動に制約する人的資源の要素と財務的資源の要素をさらに吟味する。最後に、以上の調査研究を通して得られた結論に基づいてベンチャー・ビジネスの起業活動が成功するために、必要な人材育成と金融支援策を考える。
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