2002 Fiscal Year Annual Research Report
無形資産会計における識別可能性および測定属性の選択問題
Project/Area Number |
14730116
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
梅原 秀継 埼玉大学, 経済学部, 助教授 (40282420)
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Keywords | 無形資産 / 企業結合会計 / 公正価値 / 現在価値 / のれん / 市場価格 / アメリカ基準 / パーチェス法 |
Research Abstract |
財務会計分野における無形資産の研究は,形式的な会計基準の規定比較から,基礎理論や実際の運用面も考慮する方向へと展開しつつある。本研究は,無形資産会計に適した測定属性とは何であるのかを,会計理論および実務の両面から明らかにする点に特色がある、本年度は,企業結合会計に関する英語文献および事例を中心として,パーチェス法適用時の無形資産の認識および測定技法を検討した。 特に,2001年にアメリカのFASB(財務会計基準審議会)で公表されたSFAS141「企業結合」とSFAS142「のれんその他の無形資産」を適用した事例を調査するため,アメリカおよび日本におけるアメリカ基準適用会社の事例を収集・分析した。アメリカ基準では,のれん以外の無形資産を示す概念として,従来の「識別可能性」ではなく,「分離可能性」および「契約その他法的権利」という用語が使われている。パーチェス法を適用した場合,そうした無形資産をのれんから区別し,さらに「公正価値」による測定が求められる。会計基準でも複数の無形資産が列挙され,実際に計上している企業もみられた。SFAS141適用前のアメリカの会計基準や事例に関する資料を保有していたが,貴重な資料を付け加えることができた。調査結果は,パソコン設備を用いて,必要に応じてデータとして整理した。 なお,文献研究に当たっては翻訳作業を委託し,事例調査では数回にわたって研究会を開催し実務に詳しい専門家より有意義なコメントをいただいた。
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