2003 Fiscal Year Annual Research Report
マネジメント・コントロールにおける「distrust」機能に関する実証的研究――日本企業のマネジメント・コントロール・システムの再検証――
Project/Area Number |
14730119
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森口 毅彦 富山大学, 経済学部, 助教授 (90293282)
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Keywords | Trust / Distrust / マネジメント・コントロール |
Research Abstract |
本研究は、組織内の合理性を促進するための「Trust/Distrust」機能という新しい理論的フレームワークに基づき、マネジメント・コントロールが果たす機能を特に「Distrust」の観点から再検討することを目的としている。昨年度の研究では、組織における「Trust/Distrust」関係に基づくマネジメント・コントールの機能(「Distrustの合理化」機能)に関する理論仮説を導出した。 本年度の研究ではこの理論仮説に基づき、日本企業においてマネジメント・コントロールが、実際にどんな領域で、どんな情報を提供することによって「Distrustの合理化」機能を果たしているか、そしてその機能を有効なものにするための制度的仕組みとしてマネジメント・コントロール・システムがいかに構築されているのかを明らかにすることを目的に、アンケート調査を実施した。 具体的には、昨年度の研究で提示した理論仮説をもとに、これを構成する変数の次元・要素を抽出し、概念的定義を行ったうえで調査仮説を構築し、それを検証すべく、東証一部製造業500社を選定した上で、1社当たりにつき役職・階層の異なる4人を抽出し、計2,000人を対象にしたアンケート調査を行なった。 次年度は、回収したアンケートを集計・分析し、調査仮説の検証を行い、その検証結果に基づき、当初構築した理論仮説を検討していく。そして、すべての調査結果を再検討したうえで、これまでの研究成果を総括し、「trust/distrust」関係に基づくマネジメント・コントロールのフレームワークを構築していく予定である。
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