2002 Fiscal Year Annual Research Report
一般バーンサイド環と一般素数グラフによる群の構造の解明
Project/Area Number |
14740016
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
飯寄 信保 山口大学, 教育学部, 助教授 (00241779)
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Keywords | 素数グラフ / バーンサイド環 / 有限群 / 単純群 / 自由群 / 群の基本関係 |
Research Abstract |
一般バーンサイド環・一般素数グラフは、群の特殊な部分群と部分群に有理整数を対応させる適当な写像により構成される。素数グラフと関連深い部分群は、孤立部分群と呼ばれている特殊なTI部分群である。TI部分群は例外指標の理論と本質的な関係を持つもので、有限群の理論において重要な概念である。また、一般バーンサイド環の理論を考える上で実りの多い考察対象であろうということが、今までの研究によって予測できる。本年度は、有限単純群の内部に存在するTI部分群の分類に力を注いだ。TI部分群を基に一般バーンサイド環が構成でき、その特徴づけによって一般素数グラフの性質が明らかとなることから重要な考察だと思われる。しかしこの分類は、まだ完成していない。その理由は、TI部分群の性質が今まで良く調べられていなかったこともあるが、単純群の中に大変歪な形でTI部分群が入っている可能性(冪零部分群としてではなく、フロベニウス群のような構造を持つ可解群の構造を持っているものなど)があるという当初の予想と異なる事実が分かってきたからである。それゆえに、具体的な単純群をモデルにTI部分群の埋め込み状況に関する一般論を構築しながら、その成果を基に対称群・交代群・一般線形群・特殊射影線形群におけるTI部分群の分類は一通り完成した。それによるとわれわれの考えたTI部分群に分類に関する予想(非可換TI部分群の埋め込まれ方に関する予想)はこれらの群について正しい事がわかった。意外にこの分類作業に時間がかかっているが、来期はこの分類を完成し、一般バーンサイド環の構造について考察したい。
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