2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今野 拓也 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (00274431)
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Keywords | データ級数 / Eisenstein級数 / Howe双対性 / p進簡約群 / 保型表現 / L函数 / Langlands哲学 / Endoscopy |
Research Abstract |
今年度は主にU(2,2)の志村多様体の混モチーフに寄与するであろう保型形式の統一的な構成、分類を行った。 まず年度の初めにはこれらの構成の基盤となるP進簡約群の表現論について、前年度から続けていた集中セミナーを完了した。特にその副産物としてこれまで多く使われながら、その正確な記述がなかったLanglands分類や離散系列表現の有限性などの結果を得た。7月には数理研短期共同研究「p進群の調和解析」(代表:齋藤裕(京都大)、今野拓也)を行い、これらの結果を発表した。 続いて保型形式の無限成分を決定するため、実ユニタリ群たちの間の局所Howe双対性の研究を行った。近年のAdams-Barbasch,A.Paulらの結果を拡張して、我々の必要な場合に局所Howe双対性を完全に記述する結果を得た。従来、離散系列表現のHowe双対に極限離散系列表現が現れることは知られていたが、この構成によりコホモロジー的表現に対しても「極限コホモロジー的表現」とも呼ぶべき表現が得られる。今後、これらの表現の保型ベクトル束の研究への貢献が期待される。9月にドイツOberwolfach研究所で行われたシンポジウム"Modulformen"に参加し、これらの成果を発表した。 年度の後半はこれらの結果を用いて本題である混モチーフへの寄与を持つべき保型形式の構成を進めた。まずp進体上の局所理論としてHarrisによる2変数ユニタリ群のテータ二分性の精密化を与え、これを用いて構成する保型形式の持ちうる局所成分を完全に決定した。またこれらの局所成分を持ち、古典群上の保型形式の記述についてのArthur予想から存在が期待されていた保型形式をすべて構成できた。これらの結果については数理研シンポジウム「保型形式と局所体上の代数群の表現」を初めとして数回の成果発表を行った。
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Research Products
(1 results)