2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740024
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
寺川 宏之 都留文科大学, 文学部, 助教授 (80277863)
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Keywords | 代数幾何学 / 定義イデアル / 消滅定理 |
Research Abstract |
本研究の目的は次の予想を解決することであった:「Vを高々ログ端末的特異点をもつ射影多様体,LをV上の大域的に生成された豊富なCartier因子,XをVの余次元eの部分多様体とする.このとき全射【symmetry】^m_<i=1>L^<-d>→I_XによりXが定義されていて,a【greater than or equal】1,k【greater than or equal】(a+e-1)d+1ならば,i>0に対して,H^i(V,I^a_X(K_V+kL))=0が成り立つ.」 本年度は研究計画あるように,毎月1回日本大学文理学部で渡辺敬一氏、泊昌孝氏(ともに日大)、石井志保子氏(東工大)、原伸男氏(東北大)らとともに代数幾何学と特異点論に関するセミナーで議論を行った。また、7月に八ケ岳代数幾何学シンポジウムと日本数学会秋季総合分科会(千葉大学)八月に代数学シンポジウム(名古屋大学),11月に可換環論シンポジウム(ウェルサンピア多摩),3月に日本数学会2003年度年会(筑波大学)などに参加し、いくつかの興味深い講演を聞くことができた. 本年度は上記予想の解決に向けて、射影多様体X⊂P^rの定義イデアル層I_Xから定まる乗法子イデアル層(multiplier ideal sheaf) J(eI_X)の性質に注目し研究を進めてきた。特にJ(eI_X)とはじめに与えられたイデアル層I_Xとの食い違いを研究してきた。Vは正規射影多様体であるから一般にJ(eI_X)⊆I_Xが成立している.この等号がXが非特異の場合や(非特異とは限らない)宗全交叉多様体の場合に成立することは容易に確認できる。現在、渡辺氏、原氏、吉田健一氏(名大)、高木俊輔氏(東大)らにより乗法子イデアル層の環論的研究が行われているが、J(eI_X)とI_Xとの食い違いを記述するための大域的な研究にはいまのところ結びつかずにいる。来年度は乗法子イデアル層に関する研究を引き続き行うとともに,上記消滅定理の応用に関しても研究を行いたい。
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