2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山ノ井 克俊 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (40335295)
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Keywords | 値分布論 / 第二主要定理 / 準アーベル多様体 / 分岐個数関数 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通り。 1 本年度は曲線束に対する「相対的第二主要定理」を証明した。これは、昨年度から引き続き研究している動標的に対する第二主要定理の分岐個数関数に相当する部分、及び関数体上の曲線に対するボイタ不等式を共に導く一般的な評価式である。また、この評価式を使って有理関数の高階微分の(ある単純な規則で数えた)零点の数と、元の有理関数の異なる極の数の間に単純な評価式が成立することを証明した。このような評価式は、これまで論じらちれることがなかったように思われるが、様々な状況的証拠から、さらに単純で興味深い評価式に一般化出来るのではないかと思われる。 2 当該研究者は以前にアーベル多様体への正則曲線に対して打ち切り個数関数を使った第二主要定理を証明した。本年度は野口潤次郎(東大数理)、J.Winkelmann(仏Nancy大学)両氏と共同でこの結果を準アーベル多様体の場合に拡張した。ポアンカレの既約性定理などが準アーベル多様体に対しては成立しないために証明に於いて技術的な問題を解決しなければならなかった。応用として、70年代にアメリカ人研究者によって予想されていた、射影空間から幾つかの因子を除いた空間の双曲性に関する予想をより一般的な形で解決することが出来た。 3 楕円曲線の分岐被覆面に関連した、普遍定数に関して若干の新しい結果を得た。この定数は双曲空間の「絶対性」からユークリッド空間の相似変換を制約する定数と関連して、興味のあるものであるが、未だ公表するほどにはまとまっておらず、このテーマは来年度以降に持ち越される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Katsutoshi Yamanol, others: "The second main theorem for holomorphic curves into semi-Abelian varieties"Acta Mathematica. 188. 129-161 (2002)
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[Publications] Katsutoshi Yamanoi: "Algebro-geometric version of Nevanlinna's lemma on logarithmic derivative and applications"Nagoya Mathematical Journal. 173(to appear). (2004)
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[Publications] Katsutoshi Yamanoi: "Defect relation for rational functions as targets"Forum Mathematicum. (to appear).
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[Publications] Katsutoshi Yamanoi: "Holomorphic curves in Abelian varieties and intersections with higher codimensional subvarieties"Forum Mathematicum. (to appear).
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[Publications] Katsutoshi Yamanoi: "The second main theorem for small functions and related problems"Acta Mathematica. (to appear).