2003 Fiscal Year Annual Research Report
統計的推測における不等式を用いた有効性に関する研究
Project/Area Number |
14740062
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小池 健一 筑波大学, 数学系, 講師 (90260471)
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Keywords | 区間推定 / 逐次推定 / 被覆確率 / 一様分布 / 有効性 |
Research Abstract |
位置尺度母数を持つ確率変数列に対して,正則な場合,位置母数の最尤推定量θ_nと尺度母数ξの最尤推定量が漸近的に独立ならば,区間幅d(>0)をもつ信頼係数1-αのθ_nに基づく逐次信頼区間[θ_τ-d,θ_τ+d]を構成できることが知られている.ここでτは標本の大きさで,ある停止則により決まる.本研究では,非正則な場合として,位置尺度母数を持つ一様分布を考える.そして,ξが未知の場合に位置母数の逐次信頼区間を構成する. いま,標本の大きさがnのときのミッドレンジとレンジを,それぞれM_n,R_nとし,停止則をτ:=min{n【greater than or equal】n_0:R_n/(n-1)【less than or equal】-2d/logα}とおく.ただし,n_0は初期標本数とする.n^*をξが既知のときの最小標本数とすると次を得る. (i)<lim>___<d→0+>P{|M_τ-0|【less than or equal】d}=1-α,(ii)<lim>___<d→0+>τ/n^*=1,(iii)<lim>___<d→0+>E(τ/n^*)=1 従って,この推定方式は,漸近一致性,漸近有効性などの性質を持つことが分かる.また,良く知られたChow-Robbins型の推測方式と比較しても,標本の大きさは確率1で有界になり(Chow-Robbins型の場合は標本の大きさが無限大になる確率は正),しかもτはd^<-1>のオーダーで∞に発散(Chow-Robbins型の場合はd^<-2>のオーダー)など,良い性質を持っていることが分かる.さらに,数値実験の結果などを考慮すると,パフォーマンスもまずまず優れている.
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Research Products
(1 results)