2003 Fiscal Year Annual Research Report
代数的符号理論の研究とそのモジュラ形式の理論への応用
Project/Area Number |
14740081
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大浦 学 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50343380)
|
Keywords | 符号 / 次数付き環 / 重み多項式 / モジュラ形式 |
Research Abstract |
1.符号の重み多項式からジーゲルモジュラ形式への写像(Broue-Enguehard写像)と、ジーゲルモジュラ形式から古典的不変式環への写像(井草の準同型写像)を合成することにより、有限群の不変式環から(無限群である)2次特殊線型群の不変式環(古典的不変式環)への写像が得られる。種数が1と2の場合にこの写像を具体的に書き下した。種数1の場合は、2変数多項式環から3変数多項式環への写像、種数2の場合は4変数多項式環から5変数多項式環への写像となる。この写像は変数が増えるかわりに多項式としての次数が減る。 2.符号の重み多項式は有限群の不変式と密接な関係がある。重み多項式を個々に考えるのではなく、それらが生成する環(重み多項式環)を考えると有限群の不変式環と一致する場合が知られている。ところで、一般に有限群の不変式環は有限生成な環であり、またコーエン-マコーレーという性質をもつ。私は以前、ある種の重み多項式の生成する環を考え、コーエン-マコーレーではない次数付き環を与えたが、符号から得られる環で有限生成ではないものを与えた。 3.特に符号理論やモジュラ形式の理論にこだわらずに、不変式環に対する研究も行ってきた。最近、興味をもって取り組んでいるのは、様々な有限群に対して、その不変式体を具体的に決定することである。特にその体が有理函数体となるか否か(有理性の問題)、に興味がある。ここでは基礎体を有理数体や代数体として考える。陸名雄一氏(東京都立大)との共同研究。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] E.Bannai, M.Harada, T.Ibukiyama, A.Munemasa, M.Oura: "Type II codes over F2 + u F2 and applications to Hermitian modular forms"Abh.Math.Sem.Univ.Hamburg. 73. 13-42 (2003)
-
[Publications] M.Oura: "An example of an infinitely generated graded ring motivated by coding theory"Proc.Japan Acad.Ser.A Math.Sci.. 79. 134-135 (2003)