2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740098
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹内 潔 筑波大学, 数学系, 助教授 (70281160)
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Keywords | D-加群 / 指数定理 / 代数解析 / 超局所解析 |
Research Abstract |
代数解析では1次元の場合のホロノミックD-加群(常微分方程式)の超関数解の次元公式が70年代に小松・柏原により得られたのち、高次元のホロノミックD-加群(連立型の偏微分方程式系)の場合の研究は大きな困難があり長らく停滞していた。今年度はこの小松・柏原の次元公式の多変数への一般化を研究し、表現論やD-加群の指数定理における最近の技術革新を導入する事により小松・柏原の定理の自然な高次元版を得る事ができた。これはアメリカのschmid-Vilonenらによる表現論における指標公式の研究により得られた成果を、解析学という全く別の方面に応用したものである。I.M.Gelfandらによるトーリック多様体と関係した多変数の超幾何微分方程式系は我々の定理の仮定をどこでも満たしている。しかし高次元ではD-加群の特性多様体の幾何的な状況について色々な特異性のパターンがあり、我々の方法だけではまだ解らない部分も多い。これらの様々な場合についてさらなる一般化の研究が現在進行中であり、交叉コホモロジーの理論を用いた断片的な結果を得ており、今後の詳しい解明が望まれる。これらの研究のために今年度は計算機を買い揃え、専門書等を購入して代数解析学の周辺分野の知見を広めることに努め、D-加群や代数幾何、表現論などについての最新の研究成果を知るために国内の研究集会に出張した。また幾何学や表現論に重要な応用がある不動点タイプの指標公式についても、他の分野(特異点論など)の研究者とも研究連絡を取り合って研究した。今後これらの研究者と活発に共同研究をしていく予定である。
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Research Products
(1 results)