2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740099
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
太田 雅人 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00291394)
|
Keywords | 非線形 / 波動方程式 / 爆発 / 時間大域存在 / 伝播速度 / ホイヘンスの原理 / 初期値問題 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、異なる伝播速度をもつ半線形波動方程式系の初期値問題の小さいデータに対する解の時間大域存在と爆発について研究を行なった。今年度の最大の研究成果は、久保英夫氏(大阪大)との共同研究により、空間2次元の場合に解の爆発を証明することができたことである。久保氏との以前の共同研究により、空間3次元の場合には、強非線形相互作用系に対しては、伝播速度が異なれば常に小さいデータに対する解の大域存在が成り立つことが分っていた。これに対して、空間2次元の場合には、非線形項の次数が3以下の場合には、小さいデータに対しても解の爆発が起きることが分った。また、非線形項の次数が3より大きい場合には、小さいデータに対する解の大域存在が成り立つので、この結果は最適である。3次元空間と異なり、2次元空間においては、ホイヘンスの原理が成り立たないことは周知の事実であるが、この事実が解の大域的な性質に影響を及ぼすことを明確にした結果はこれまであまり知られていないのではないかと思われる。この意味で、空間3次元と2次元の場合の本質的な違いを明らかにした本研究成果の意義は大きいと考えられる。
|
-
[Publications] Masahito Ohta: "Counterexample to global existence for systems of nonlinear wave equations with different propagation speeds"Funkcialaj Ekvacioj. 46・3. 471-477 (2003)
-
[Publications] Reika Fukuizumi, Masahito Ohta: "Stability of standing waves for nonlinear Schrodinger equations with potentials"Differential Integral Equations. 16・1. 111-128 (2003)
-
[Publications] Reika Fukuizumi Masahito Ohta: "Instability of standing waves for nonlinear Schrodinger equations with potentials"Differential Integral Equations. 16・6. 691-706 (2003)