2003 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮性Navier-Stokes方程式の解の漸近安定性の研究
Project/Area Number |
14740104
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小林 孝行 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (50272133)
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Keywords | 圧縮性Navier-Stokes方程式 / 界面正則性 / Maxwell方程式 / Stokes方程式 / Navier-stokes方程式 |
Research Abstract |
拡散系方程式である熱方程式と分散系方程式の波動方程式の解の性質を持つ圧縮性Navier-Stokes方程式の拡散波動現象の研究で,全空間の初期値問題の場合、圧縮性Navier-Stokes方程式の解の漸近展開から,その第一近似は,非定常非圧縮性粘性流である非定常Stokes方程式の解であることがわかっている.半空間の初期値境界値問題の場合も、その圧縮性Navier-Stokes方程式の線形化方程式の解の表現公式からその第一近似は非定常Stokes方程式の解であることが予想され,圧縮性Navier-Stokes方程式の解の原理的な構造から,定常非圧縮性Navier-Stokes方程式,定常Stokes方程式,さらにMaxwell方程式に着目し,その解の界面正則性について研究を行った. Maxwell方程式の研究では,有界領域において滑らかな界面を持つ場合,総電流密度の接線方向成分が界面を持っていても,解の法線方向成分の空間一階微分が界面を持っていなければ,解の法線方向成分は一階上の正則性を持つことが示された.このことは,2階楕円型方程式の解の正則性の精密化に相当する.また,界面が水平面の場合はさらに精密化した結果が得られた. Stokes方程式とNavier-Stokes方程式では,Maxwell方程式で得られた結果から,圧力と,外力の接線方向成分が界面を持っていても,渦度の法線方向成分は一階上の正則性を持つという結果が得られた.また,圧力と外力が,界面を持っている場合でも,流速の空間一階微分が界面を持っていなければ,流速の法線方向成分は一階上の正則性を持つこともわかった.さらに,界面が水平面の場合は,Maxwell方程式の場合と同様に精密化される.また,これらの結果は,ソレノイダルベクトル場の場合に帰着できることもわかった.
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Research Products
(1 results)