2002 Fiscal Year Annual Research Report
開複素等質多様体上の積分幾何と特異な無限次元表現の実現
Project/Area Number |
14740117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関口 英子 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50281134)
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Keywords | ペンローズ変換 / 半単純リー群 / ユニタリ表現 / 有界対称領域 / 複素多様体 / 積分幾可 / 概均質ベクトル空間 / 超幾何函数 |
Research Abstract |
古典型有界対称領域の中で,管状領域と呼ばれるCartanのCI型の古典型有界対称領域(ジーゲル上半空間)上に,青本-Gel'fandの超幾何微分方程式系の高階への一般化に相当する微分方程式系を群論的に定義し,その大域解を積分変換によって全て構成することを目標に以下の要領で研究を進めた。 最高ウェイト表現の幾何的実現とペンローズ変換の(部分多様体への)制限に関する函手性:最高ウェイト表現は無限次元表現の中で,ある種の有限次元性を帯びた特殊なクラスの表現である(物理では「真空」の存在に対応する)。まず,この最高ウェイト表現を非コンパクトな複素等質多様体上の正則ベクトル束に係数をもつドルボーコホモロジーの空間に実現する。このコホモロジー表現を既約分解すること,及び,そのK-type公式を証明するのが,このステップでの目標である。そのために,この幾何的実現をZuckerman-Vogan導来函手加群と比較し,コンパクト部分多様体の法微分の交代和としてK-type公式を捉えることを考えた。尚,当該研究の目的のためには既約性については一般論が知られていないパラメータの表現を扱う必要があり,これに関しては個別の群に対してスペクトル系列などの代数的手法を援用し,研究を進めた。 更に,2つの群に対する2つのペンローズ変換がどのような函手性をもつかを研究した。すなわち,複素多様体とその部分多様体の族が与えられたときに,ペンローズ変換を一般的に構成するわけだが,そのようなデータが2つ与えられたときに2つのペンローズ変換の間の関係を調べた。特に,大きな複素多様体の上でのドルボーコホモロジーの表現が小さな複素多様体の変換群に関して離散的な分岐則をもつ場合に,2つのペンローズ変換の間に理想的な関係があることを証明した。
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Research Products
(1 results)