2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740119
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
増田 俊彦 高知大学, 理学部, 助手 (60314978)
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Keywords | III_1型部分因子環 / 対称包絡代数 / 強自由な作用 / ロホリンの性質 / ロイ不変量 |
Research Abstract |
本年度は作用素環におけるIII_1型部分因子環の構造並びに群作用の研究を行った. 鍵となるのは,ポパによって導入された対称包絡代数と,ロンゴとレーレンによって導入された構成法が鍵となる.すでに私によってこの二つがII_1型部分因子環の時には実質的に同じである事が示されているが,III_1型の場合には対称包絡代数の構成が自明でないので,まずこの点を研究した.またこの場合の生成元の対応をより精密に研究し,この二つの構成の対応をより詳しく研究した.二番目の鍵となるのは,ハーゲラップによって証明された単射的III_1型因子環における自明な再可換子をもつ状態の存在証明の議論を部分因子環で行う必要があるが,これはIII_1型部分因子環の研究には不可欠の議論であるので,これについても詳細に調べた.これは上述したIII_1型部分因子環での対称包絡代数の構成とも深く関わっている. また本年度はIII_1型部分因子環への群作用の分類も研究した.とくに強自由という性質を満たす群作用の研究をおこない,有限群や整数群が強従順なIII_1型部分因子環へ作用する場合を重点的に研究した.いずれの場合も鍵となるのは,強自由という作用の性質がロホリンの性質を導き,漸近的に群の正則表現が,部分因子環の中に構成できるという点である.言うまでもなくこの研究には,上述した強従順なIII_1型部分因子環の分類理論が本質的である.II_1型部分因子環の場合と異なり,トレース状態がないので,解析は格段に困難を極めるが,結論としては,群作用はロイによって導入された不変量によって分類される事が導かれる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshihiko Masuda: "On Non-strongly Free Automorphisms of Subfactors of type III_0"Canadian Mathematical Bulletin. 46. 419-428 (2003)
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[Publications] 増田俊彦: "III_1型部分因子環の分類について"京都大学数理解析研究所講究録. 発表予定.