2003 Fiscal Year Annual Research Report
重いクォーコニウム系の物理量の精密計算と新しい理論的枠組の構成
Project/Area Number |
14740147
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
隅野 行成 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80260412)
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Keywords | 摂動QCD / クォーコニウム / QCDポテンシャル / 高次補正 / リノーマロン |
Research Abstract |
私の今年度の研究成果は、(1)実験家との共同研究によって、将来e^+e^-リニアコライダーのt^^-t threshold近傍においてkinematical fittingを用いてt^^-t系及びその崩壊先粒子のエネルギー・運動量の測定精度を格段に上げる方法を提唱したこと、(2)摂動QCDに基づく理論形式を開発し、charmoniumとbottomoninmのスペクトルの微細構造と超微細構造を計算したこと、及び、(3)くりこみ群とrenormalonによる高次補正の見積もりを用いて、摂動QCDポテシシャルが、摂動の高次及びγ<Λ^<-1>_<QCD>で、"Coulomb"+linearポテンシャル[V_<C+L>(γ)]に漸近することを解析的に示したこと、が主なものである。(1)に関しては、t^^-t threshold近傍において、トップクォークの性質を精査するために、かねてより要望されていた解析手法を開発したという意義がある。(2)においては、新たに全てのΟ(α^5_Smb)補正を取り入れて計算した。論文発表当時、ηc(2S)の質量に関して、互いに矛盾する新旧の実験値が得られていたが、我々の予言は新しい方(BELLE)の実験結果を支持するものであった。その後、多くの新しい実験結果が報告され、BELLEの実験値、及び我々の理論予言が確認された。我々の予言は、摂動QCDに基づく数少ないinput parameterのみに依存し、かつ、理論的不定性を客観的に見積もることが可能であるという点で、従来からの現象論的なモデル計算と一線を画す。(3)においては、くりこみ群に基づくV_<C+L>(γ)の系統的な計算法を求め、next-to-next-to-leading logまでで、V_<C+L>(γ)が格子計算によるQCDポテンシャルの結果に収束していくことを示した。例えばleading logでは、linearポテンシャルは(2πC_F/β_O)Λ2/(MS)γとなる。
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[Publications] Y.Kiyo, Y.Sumino: "Top mass determination and O(α^5_Sm) correction to toponium 1S energy level"Physical Review D. 67. 071501 (2003)
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[Publications] S.Recksiegel, Y.Sumino: "Comparing the QCD potential in perturbative Q(+) and lattice QCD at large distances"Physical Journal C. 31. 187 (2003)
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[Publications] K.Ikematsu, K.Fujii, Z.Hioki, Y.Sumino, T.Takahashi: "How well can we reconstruct the t^^-t system near its threshold at future e+e- linear colliders?"European Physical Journal C. 29. 1 (2003)
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[Publications] S.Recksiegel, Y.Sumino: "Fine and hyperfine splittings of charmonium and bottomonium : An improved perturbative QCD approach"Physics Letters B. 578. 369 (2004)
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[Publications] Y.Sumino: "QCD potential as a "Coulomb-plus-linear" potential"Physics Letters B. 571. 173 (2003)