2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740155
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白水 徹也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10282716)
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Keywords | 初期宇宙 / 高次元時空 / ブレーン / ブラックホール |
Research Abstract |
近年の超紐理論の進展により、われわれは新しい宇宙像「ブレーンワールド」を手にするにいたっている。そのおおまかなシナリオは出来上がっているにもかかわらず、特に宇宙論的に予言に関する理論的に研究が未だに不十分である。これまでの研究で分かっていたことは、ブレーン上の観測量はバルク時空を知ったあとで初めて評価されるということであった。懸案の問題はバルク時空を解くことである。私はこの問題を解決すべく、低エネルギーの有効理論を系統的に導出する方法を開発することに成功した。この方法を採用することによって、宇宙背景輻射の揺らぎへの影響を考察することが可能となった。また、ブレーンワールドブラックホールへの洞察もできる。初年度で「創成と進化」の基礎固めがなされたと自負する。 そのほかに「ブレーンワールド」で特筆すべきことは加速器実験でブラックホールが生成される可能性を予言することである。そこでのブラックホールは本質的に高次元ブラックホールであるが、その基礎研究はこれまで動機付けに乏しくほとんど未開拓領域である。そこで、特に、回転していない静的ブラックホールの解の唯一性定理の証明した。この定理は、静的時空では高次元シュバルツシルト解を用いてブラックホール周辺で生じる現象の解析の確からしさを保証するという意味で重要なものとされる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Ochiai, D.Ida, T.Shiromizu: "Quantum Creation of the Randall-Sundrum bubble"Progress of Theoretical Physics. 107. 703-715 (2002)
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[Publications] A.M.Ghezalbash, D.Ida, R.B.Mann, T.Shiromizu: "Slicing and brane dependence of (a)dS/CFT correspondence"Physics Letter B. 535. 315-320 (2002)
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[Publications] G.W.Gibbons, D.Ida, T.Shiromizu: "Uniqueness of nonuniqueness of static black holes in higher dimensions"Physical Review Letters. 89. 041101 (2002)
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[Publications] G.W.Gibbons, D.Ida, T.Shiromizu: "Uniqueness of (dilatonic) charged black holes and black p-branes in higher dimensions"Physical Review D. 66. 044010 (2002)
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[Publications] T.Torii, T.Shiromizu: "Cosmological constant, dilaton field and Frued-Rubin compactification"Physics Letter B. 551. 161-165 (2003)
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[Publications] T.Shiromizu, K.Koyama: "Low energy effective theory for two branes system"Physical Review D. (印刷中). (2003)
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[Publications] K.Sato, T.Shiromizu(編集): "New trends in theoretical and observational cosmology"Universal Academy Press. 407 (2002)