2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しい超対称性―N-foldsupersymmetry―の研究,および応用
Project/Area Number |
14740158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 昌利 東京大学, 物性研究所, 助手 (30313117)
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Keywords | 多体トンネル効果 / 準可解性 / 超対称性 |
Research Abstract |
本年度は、N-fold supersymmetryに関する次の研究を行った。1粒子系では、N-fold supersymmetryが存在する条件は、準可解性と等価であった。そこで多粒子系で、準可解性と、N-fold supersymmetryとが、どの様な関係にあるかを調べた。特にsl(M+1)対称性に基づく準可解模型とN-fold supersymmetryの関係を調べた。その結果、残念な事に、当初予想した形にN-fold supersymmetryを一般化することはできないということが分かった。その後、多粒子系においてN-fold supersymmetryがどのように定義されるべきか調べたが、はっきりとした結論を得る事はできなかった。 次に、一体系におけるN-fold supersymmetryの自発的破れを経路積分形式で調べた。その結果インスタントンの希ガス近似では、N-fold supersymmetryの予言と矛盾した結論が得られるが、私が以前開発したバレー法という近似法を用いると、予言と矛盾のない結論が得られる事が分かった。この結果については、論文にまとめ、Journal of Mathematical Physicsに発表した。 また、多粒子系のバレー法の研究も行った。多粒子系においてWKB法が難しい理由は、WKB波動関数を構成する事が難しく、接続条件を課すことが難しい為である。しかし、バレー法では接続条件が比較的簡単な形で求まる場合がある事を示すことができた。つまりバレーの配位のゼロモードの個数で系の安定、不安定が決定される事を示すことができた。この結果については、現在論文を執筆中である。
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Research Products
(1 results)