2002 Fiscal Year Annual Research Report
重力崩壊型超新星における高速自転および超強磁場の研究
Project/Area Number |
14740166
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山田 章一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (80251403)
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Keywords | 超新星 / 磁場 / 自転 / ニュートリノ / 非対称 / 中性子星 / 重力波 |
Research Abstract |
最近の理論的研究によれば、重力崩壊型超新星を球対称な爆発として起こすことは難しそうな情勢である。一方、観測も重力崩壊型超新星が一般的に非球対称あることを示唆しているようだ。こうした非球対称性を引き起こす原因として最も考えられるのは、星の高速自転である。また。星の磁場も重要になる場合があるかもしれない。こうしたことを受けて本研究では、(1)高速自転の遠心力により扁平になったコアから非球対称に放出されるニュートリノが爆発の成否に決定的に重要であるという仮説を確かめること、(2)磁場が崩壊と衝撃波のダイナミクスに与える影響の基礎的理解を得ることを目標としている。本年度はまず、(1)については現実的な状態方程式とIeakage schemeによるニュートリノ輸送を考慮した二次元の数値計算を行い、ニュートリノ放出の非球対称度と、それによる物質加熱の非球対称度を調べた。それによれば星の進化の理論が予言する程度のコアの自転があれば十分に大きな(数10%)ニュートリノ加熱の非対称性が生じうるとともに、ニュートリノの光度も球対称の場合と変わらないことがわかった。これは、上記シナリオにとって大変有望である。この結果は「ニュートリノと超新星」研究会で招待講演として報告し、現在論文としてまとめているところである。一方、(2)については状態方程式とニュートリノ輸送を現象論的な状態方程式で近似し、自転と磁場の強さの組み合わせを変えた10例程度のモデル計算を行い、非常に強い磁場のもとでは、回転軸方向へのジェット状の爆発が起こりることがわかった。この結果は、国際会議「Numrical Simulations in Astrophysics」において招待講演として、また「Texas Symposium」においてはポス夕ー発表として報告し、現在論文にまとめている。
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Research Products
(1 results)