2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740174
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
肥山 詠美子 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (10311359)
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Keywords | ダブルラムダハイパー核 / ペンタクオーク / 構成子クオークモデル |
Research Abstract |
ハイパー核分野で、早急に要求されているΛΛ-ΘN-ΣΣ相互作用を含む軽いハイパー核の3体・4体構造研究を行った。まず、^4H_<ΛΛ>の精密4体計算を行い、この未発見ダブルラムダハイパー核が束縛状態として存在するためには、引力的なΛΛ-ΘN-ΣΣ相互作用が必要不可欠であることが本研究から明らかにされた。さらなる解析のためには、クオークレベルからの研究の必要性を感じた。しかしながら、クオークレベルからの研究をおこなうためには、uuddssの6体問題に基づく研究になるため、報告者の理論では非常に困難である。しかし、この研究へ少しでも近づくために、uudds-barの5体計算を行った。おりしも、2003年、テータ粒子として阪大実験グループが発見し、現在、話題を呼んでいる。報告者は、6体問題への一つの足がかりとして、この5体問題を研究することにした。この5体計算を行うために、(1)報告者が提唱開発した「ガウスローブ基底関数に基づく少数多体計の厳密計算法」を適用し、精密5体計算として取り扱う。(2)N+K散乱チャネルを陽に取り入れるように理論・計算プログラムを完成させる。(3)強いクオーク・クオーク間、クオーク・反クオーク間相関を適切に記述できる組み替えチャネル5体系基底関数を作成する。(4)クオーク間相互作用としては、Isugrらが3クオーク系、4クオーク系に使用した標準的な相互作用を用いる。この計算で分かったことは以下の通りである。(i)N+Kチャネル以外のconfinedチャネルの基底関数を用いるとテータ粒子の発見されたエネルギー領域に、1/2^-,1/2^+の束縛状態が存在する。しかし、これらの状態は、N+K散乱チャネルを加えて散乱の境界条件の元に解くと、非共鳴連続状態となる。(ii)より高いエネルギー領域に幅の狭い共鳴状態が存在する。1/2^-でN+Kの閾値より540MeV上に幅が0.24MeVの共鳴が、1/2^+で539MeV上に幅が110MeVの共鳴が存在することを明らかにした。これは、実験値と異なる結果を生み出している。さらなる解析を行っているところである。
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Research Products
(4 results)