2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740205
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 仁 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50313416)
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Keywords | 銅酸化物超伝導体 / CuO鎖 / 低次元 / 酸素2p / 電子状態 / 軟X線吸収・発光分光 |
Research Abstract |
平成14年度は研究計画通り、(Sr,Y,La,Ca)_<14>Cu_<24>O<41>単結晶試料及び(Ca,Y)_4Cu_5O_<10>単結晶試料作製に重点を置き研究を行なった。(Sr,Y,La,Ca)_<14>Cu_<24>O_<41>単結晶試料に関しては、ホールの無いSr_8La_6Cu_<24>O_<41>から化学式当たり6個のホールを有するSr_<14>Cu_<24>O_<41>、及び内部のホール分布の変化により高圧下で超伝導が発現する(Sr,Ca)_<14>Cu_<24>O_<41>の広い組成範囲の単結晶試料を作成した。この化合物に関しては米国LBNL放射光施設ALS及びKEK-PFにおいて酸素K吸収端近傍の軟X線吸収・発光分光測定を行ない、顕著な偏向依存性があらわれる事がわかった。組成依存性を含めて、現在論文としてまとめるべく解析を進めている。 一方、辺共有CuO鎖構造のみの化合物である(Ca,Y)_4Cu_5_<10>単結晶試料に関しては、TSFZ法によりソルベントの決定から実験を始め、ホールが無いCa_2Y_2Cu_5O_<10>及び化学式当たりホールが1個ドープされたCa_3Y_1Cu_5O_<10>に関して単結晶作製に成功した。作成した単結晶のサイズは1〜2mm程度の小さな物であるが、本研究の実験手法である軟X線吸収・発光分光では十分な大きさである。多結晶試料及び単結晶を用いた予備的な測定を行なった。平成15年度の放射光実験で(Sr,Y,La,Ca)_<14>Cu_<24>O_<41>の結果と比較出来る実験結果を得る予定である。 また、平成15年度は上記辺共有CuO鎖物質の軟X線吸収・発光分光実験と並行して、角共有CuO鎖構造物質である、Sr_2CuO_3及びSrCuO_2単結晶試料の作製に取りかかる。 本年度の補助金は主として高純度原料(試薬代)、米国での実験の為の渡航費に充てた。
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