2003 Fiscal Year Annual Research Report
西太平洋熱帯海域の遍在する小規模積雲の構造及び出現特性・日変化特性の解明
Project/Area Number |
14740277
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹見 哲也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10314361)
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Keywords | 熱帯気象 / 積雲対流 / 雄大積雲 / 雲解像モデル / 数値実験 / 水蒸気変動 / 積雲パラメタリゼーション |
Research Abstract |
熱帯海域で遍在する小規模積雲群の動態を解明するため,西太平洋赤道海域で実施された船上での現地観測で取得された気象データや衛星雲データを用いて実現象の解析を行い,雲解像数値モデルを用いてそれら積雲群の動態を数値シミュレーション・数値実験によって調べた.昨年度行った研究より,熱帯の積雲の発達においては対流圏中・上層での大気の湿り具合が大きく影響していることがわかってきたので,その結果を踏まえて,本年度においては観測データの解析および数値実験の結果の解析をさらに詳細に進めた.本年度は数値実験を中心に実施し,必要に応じて船上観測によるデータを解析した.数値実験においては,対流圏での相対湿度の鉛直プロファイルや対流圏中層での安定度の強さを様々に変化させ,これらのパラメータの多彩な組み合わせにより,背の低い積雲・雄大積雲・積乱雲の3つの形態がどのような条件のもとで最も発達しやすくなるかという点に注目した.数値実験の結果,対流圏中層や上層の相対湿度が非常に低くなる(すなわち乾燥状態)場合には積雲の発達は背の低い積雲に限られ,雄大積雲や積乱雲の発達は極度に抑制されることがわかった.また,中層の安定度を通常の状態から大きく安定側に変化させた場合においても,雄大積雲や積乱雲の発達が抑制された.中・上層の相対湿度の効果と中層の安定度の効果を比べると,積雲の発達は相対湿度のプロファイルの方に非常に強く依存していることが示された.本研究で得られた知見は,気象予報や気候変動の予測をするための数値モデルにおける積雲の取り扱いの問題(積雲パラメタリゼーション)に対して重要な示唆を与えるものである。以上の結果は,国内外の学会・研究集会等で成果の発表を行った.
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[Publications] 竹見哲也, 柴山健一: "衛星による赤外スプリットウィンドウ計測を用いた熱帯海域における可降水量の導出法"海洋気象学会誌「海と空」. Vol.79. 77-83 (2004)
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[Publications] Takemi, T., O.Hirayama, C.Liu: "Effects of Moisture Profiles on the Mode of Cumulus Convection"10th Conference on Mesoscale Processes,23-27 June 2003,Portl and, Oregon, American Meteorological Society. P1.6 (2003)
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[Publications] Takemi, T.: "The Importance of Moisture Profile With Vertical Wind Shear in the Dynamics of Mid-Latitude Squall Lines"20th Conference on Weather Analysis and Forecasting,11-15 January 2004,Seattle, Washington, American meteorological Societ. P2.2 (2004)
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[Publications] 竹見哲也: "線状降水系の発達に及ぼす温度・湿度プロファイルの影響"日本気象学会関西支部・海洋気象学会例会講演要旨集. Vol.102. 44-46 (2004)
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[Publications] 竹見哲也: "地球規模の大気の流れ"関西造船協会「らん」. Vol.60. 10-14 (2003)