2002 Fiscal Year Annual Research Report
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14740310
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小野 重明 海洋科学技術センター, 固体地球統合フロンティア研究システム, 研究員 (20313116)
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Keywords | 高温高圧実験 / シリカ / 相境界 / 下部マントル |
Research Abstract |
今年度年は、まず初めに高圧実験に関する技術開発を行い、満足しうるレベルの実験を行うことが可能となった。そして、その技術を利用して、多くの研究成果を生み出すことができた。具体的には、高輝度光科学研究センター(SPring-8)および高エネルギー加速器研究機構(PF)の放射光施設を利用して、通常の実験室では得られない強力なX線とダイヤモンドアンビルセル高圧発生装置を組み合わせることにより、コア・マントル境界に相当する100ギガパスカル以上の条件での実験を行った。例えば、シリカ相の高圧相であるステイショバイトとCaCl_2型相の相転移境界を世界で初めて決定することに成功した。この結果から、下部マントル中で観測されている地震波速度の異常は、この鉱物の相転移とは無関係であると結論づけられる。また、下部マントル物質を構成する数種類の鉱物の物性を高圧その場測定をすることにも成功した。鉱物種としては、アルミ含有ペロフスカイト、アルミ含有スティショバイト、六方晶系アルミ相、カルシウムフェライト型アルミ相、ジルコンなどである。これらの鉱物の圧縮率は、鉱物の化学組成の違いによって変化することを明らかにした。また、炭酸塩鉱物や鉄酸化物の高圧相の探求も行い、これらについては現在データの解析中である。 そして、これらの研究成果を国内外の学会やシンポジウムで発表を行い、その中で特に評価の高かった成果については、国際結晶学会(ジュネーブ)および日本鉱物学会(大阪)で招待講演を行った。
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[Publications] S.Ono, K.Hirose, M.Murakami, M.Isshiki: "Post-stishovite phase boundary in SiO_2 determined by in situ X-ray observations"Earth and Planetary Science Letters. 197. 187-192 (2002)
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[Publications] S.Ono et al.: "Equation of state of Al-bearing stishovite to 40 GPa at 300 K"American Mineralogist. 87. 1486-1489 (2002)