2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14740327
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
茂木 孝一 九州大学, 総合理工学研究院, 助手 (30304835)
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Keywords | 窒素固定 / 鉄硫黄蛋白質 / ニトロゲナーゼ / 密度汎関数法 / RASSCF法 / {Fe_8S_7} / {Fe_7MoS_9} / FeMoco |
Research Abstract |
生態系が行う窒素循環において、ニトロゲナーゼが行う空気中の窒素分子をアンモニアに変換する窒素固定は、最も重要な生物反応である。ナイトロゲナーゼは、反強磁性状態にある{Fe_7MoS_9}及び{Fe_8S_7}を骨格中心にもち、電子伝達反応を行いながら常温・常圧条件下で窒素固定を行っている。本研究では、密度汎関数法および多配置関数法(RASSCF法)を用いて、ニトロゲナーゼ骨格中心の{Fe_7MoS_9}及び{Fe_8S_7}クラスターの電荷移動反応と窒素固定反応を理論的に明らかにした。電荷移動反応の過程で、いずれのクラスターもその骨格を保持する。{Fe_7MoS_9}および{Fe_8S_7}のいずれにおいても-1価の電荷で最安定構造であった。モリブデン挿入された{Fe_7MoS_9}の特徴は、{Fe_8S_7}より小さなエネルギー差で電荷移動可能であり、各電荷状態に低い励起状態が存在し、容易に電荷移動が可能であることである。2つのクラスターは電荷移動に関与する金属が全く異なり、{Fe_8S_7}ではクラスター中心の四つの鉄に存在するFe(3d)軌道の電子密度が変化するに対して、{Fe_7MoS_9}ではMo(3d)軌道の電子密度の変化が大きく、窒素固定反応の初状態にFeMocoのモリブデンが大きく関わってくる。窒素分子の挿入反応では、{Fe_8S_7}には窒素分子が全く挿入されないのに対し、{Fe_7MoS_9}では窒素分子の挿入により窒素分子の分子間距離も伸張する。これらの窒素分子の挿入反応では、窒素分子のπ^*軌道が電子受容体となるが、それぞれのクラスターの電子供与に関わる軌道(SOMO)の軌道エネルギーが異なり、窒素分子のπ^*軌道と、{Fe_8S_7}^<1->では全く相互作用をしないのに対し、{Fe_7MoS_9}^1では大きな相互作用を行う。これらの結果は、ニトロゲナーゼの窒素固定反応を解析する大きな足がかりとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Mori, H., Sekiya, H., Miyoshi, E., Mogi, K., Sakai, Y.: "Effects of intermolecular interaction on proton tunneling : Theoretical study on two-dimensional potential energy surfaces for 9-hydroxyphenalenone -CO_2/H_2O complexes."Journal of Chemical Physics. 119(8). 4159-4165 (2003)
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[Publications] Mogi, K., Sakai, Y., Sonoda, T., Xu, Q., Souma, Y.: "Geometries and Electronic Structures of Group 10 and 11 Metal Carbonyl Cations, [M(CO)n]x+(M^<x+>=Ni^<2+>, Pd^<2+>, Pt^<2+>, Cu^+, Ag^+, Au^+ ; n=1-4)."Journal of Physical Chemistry A. 107(19). 3812-3821 (2003)
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[Publications] Sakai, Y., Nakai, T., Mogi, K., Miyoshi, E.: "Theoretical study of low-lying electronic states of GdO"Molecular Physics. 101(1-2). 117-123 (2003)
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[Publications] Sakai, Y., Koyanagi, M., Mogi, K., Miyoshi, E.: "Theoretical study of adsorption of SO_2 on Ni(111) and Cu(111) surfaces"Surface Science. 513(2). 272-282 (2002)
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[Publications] Torrent, M., Mogi, K., Basch, H., Musaev, Dj.G., Morokuma, K.: "A Density Functional Study of Possible Intermediates of the Reaction of Dioxygen Molecule with Non-Heme Iron Complexes. 1.N-Side versus O-Side Mechanism with Water-Free Model"Journal of Physical Chemistry B. 105(36). 8616-8628 (2001)