2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析の高速化と高性能化を指向したシリカ連続体カラムの開発
Project/Area Number |
14740403
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
池上 亨 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (20301252)
|
Keywords | ミクロ液体クロマトグラフィー / モノリス型カラム / 多孔性シリカ連続体 / HPLC充てん剤 / イオン交換型固定相 / サイズ排除型固定相 / プロテオーム解析 / シリカ表面修飾 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、タンパク質の高速・高性能分離である。これには、逆相型カラムの他にイオン交換型カラムやサイズ排除型カラム、アフィニティ型カラムが必要とされる。これらの機能をシリカモノリス型カラムに付与するために、種々のシランを用いてオンカラム反応によるシリカ骨格の表面修飾法を確立することである。今年度は、イオン交換型、サイズ排除型の機能を有するシリカモノリス型カラムの調製法を種々検討し、表面修飾の方法を確立し、標準タンパク質サンプルへの適用を行った。 1)グリシジルメタクリレートとジエチルアミンを反応させ、エポキシド環を開環させたモノマーを使用して重合を行うことにした。内径200ミクロン、有効長25cmのシリカモノリスキャピラリーに2,6-ルチジンと3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを60℃で12時間程度送液しシリカ骨格を3-MOP化した。ここへモノマーとアゾビスイソブチロニトリルのトルエン溶液を70度で1〜2時間通液した。その後トルエンおよびTHFで洗浄を繰り返し、流路内で重合したポリマーを除去して弱アニオン交換型カラムとした。同様にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、過酸化ベンゾイルのTHF溶液を、3-MOP化シリカモノリスキャピラリーに60度で8時間通液し、洗浄後サイズ排除型カラムとした。 2)弱アニオン交換型カラムを用いてpH6.0の条件下で4種の無機陰イオンを分離したところ、良好な分離クロマトグラムが得られた。同じカラムを用いてpH6.9(リン酸緩衝液:20mM〜100mMの10分間グラジエント)で5種の標準タンパク質を分離したところ、良好なクロマトグラムが得られた。一方、サイズ排除型カラムでは、HEMAを重合後も理論段数の大きな低下は見られない一方、ヘキシルベンゼンの保持(k')は修飾の各ステップで変化しており、シリカ骨格上での重合が進行していることが分かった。結論として、3-MOP基をリンカーとしてシリカ骨格上でのラジカル重合によって種々の置換基を導入することが可能であることを明らかにできた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] N.Ishizuka, et al.: "Monolithic Silica Columns for High-Efficiency Separations by High-Performance Liquid Chromatography"Journal of Chromatography. A. 960. 85-96 (2002)
-
[Publications] H.Kobayashi, et al.: "Capillary Electrochromatography on Monolithic Silica Columns"Analytical Science. 18. 89-92 (2002)
-
[Publications] M.Motokawa, et al.: "Monolithic Silica Columns with Various Skeleton Size and Through-Pore Size for Capillary Liquid Chromatography"Journal of Chromatography. A. 961. 53-63 (2002)
-
[Publications] N.Tanaka, et al.: "Monolithic Silica Columns for High-Efficiency Chromatographic Separations"Journal of Chromatography. A. 965. 35-49 (2002)