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2002 Fiscal Year Annual Research Report

親水性アニオンを対象とするニュートラルキャリヤ型イオンセンサーの設計

Research Project

Project/Area Number 14740404
Research InstitutionWakayama University

Principal Investigator

矢嶋 摂子  和歌山大学, システム工学部, 助手 (80272350)

Keywordsイオン選択性電極 / 親水性アニオン / ニュートラルキャリヤ / センサー特性 / 錯形成定数
Research Abstract

1.生体試料や環境試料中のイオンの定量は,これまで様々な方法により行われてきたが,特に医療現場では,リン酸イオンや塩化物イオン,また,環境分析では,例えば酸性雨中の硫酸イオンや硝酸イオンの迅速な測定や長期モニタリングが必要とされている。この手段としては,イオン選択性電極(ISE)の使用が有効であるが,親水性アニオンに対して優れた選択性を示すニュートラルキャリヤの報告例はあまりない。そこで,親水性アニオンのためのニュートラルキャリヤを開発することを目的として,新規化合物を設計・合成し,その性能について検討した。
2.水素結合により親水性アニオンの検出することを考え,1分子中にチオ尿素部位を4つ含むニュートラルキャリヤ(1)を合成した。まず,この化合物のリン酸二水素イオン,または硫酸水素イオンとのジメチルスルホキシド(DMSO)中における錯形成定数を求めた。さらに,1をニュートラルキャリヤとするイオン感応膜を作製し,イオンセンサー特性について検討した。また,生体試料中での測定を想定し,溶液のpHを7付近に保つための緩衝剤も検討した。
3. 1とリン酸二水素イオンとの錯形成定数(1.3X10^4M^<-1>)は,これまで報告された化合物よりも大きいうえ,硫酸水素イオンとの値よりも約20倍大きく,リン酸イオンの優れたニュートラルキャリヤとして働くことが示唆された。まず,1を用いた可塑化PVC膜の最適化を行った。膜溶媒としては,2-ニトロフェニルオクチルエーテルが適していたが,溶解性が低く,1wt%以上溶解できなかった。また,緩衝剤としては,HEPESが適していた。これらの条件下,様々な親水性アニオンに対する電位応答を測定したが,すべてについてネルンスト応答は得られなかった。また,イオン選択性は,DMSO中の錯形成定数を反映せず,ほぼホフマイスター系列に従った。この理由の一つは,1の膜溶媒への溶解性の低さと思われ,溶解性を向上が期待できる構造をもつ化合物の合成が必要になると思われる。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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