2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質の領野レベルの濃度分布を可視化するための酵素膜イメージング法の開発
Project/Area Number |
14740408
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平野 愛弓 日本大学, 文理学部, 助手 (80339241)
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Keywords | イメージング / 神経伝達物質 / 脳スライス / L-グルタミン酸 / アセチルコリン / フラックス / 差イメージ / 可視化 |
Research Abstract |
1.神経伝達物質L-グルタミン酸の脳内分布を知るための方法論を開発することは重要である.以前報告した,グルタミン酸オキシダーゼ(GluOx)-ペルオキシダーゼ(HRP)酵素膜に基づくL-グルタミン酸イメージング法(Anal.Sci.2000,16,25-29)では,L-グルタミン酸の酵素による認識から色素の呈色に至るまでの反応が非可逆的に進行するため,観測される呈色強度は積算放出量に相当し,放出の増減にかかわらず常に増加していた.本研究では,測定時点の発色強度から前時点の発色強度を差し引いた差イメージを各測定時間について算出することにより,単位時間・単位面積当たりのフラックスとしてL-グルタミン酸放出を時間依存的にイメージングすることを検討した.これを,虚血刺激下における海馬スライス内のL-グルタミン酸放出のイメージングに適用し,虚血海馬内で放出されるL-グルタミン酸の領野間分布を時間依存的にイメージングすることに成功した(投稿準備中). 2.上述の酵素膜イメージング法を,神経伝達物質の領野間分布の可視イメージング法として一般化するために,エステラーゼ型酵素をもつアセチルコリンを対象に酵素膜を設計した.脳スライス内には大量のアセチルコリンエステラーゼが存在することを利用し,コリンオキシダーゼとHRPに基づく酵素膜を作成した.この酵素膜について,in vitroのモデル実験系を用いて感度,選択性,応答時間等の観点から評価を行った.現在,マウス脳スライスを用いて刺激によって放出されるアセチルコリンの領野間分布の時間依存的イメージングについて検討中である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 菅原 正雄: "キャピラリー電気化学センサーの開発と応用"分析化学. 51. 1121-1133 (2002)
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[Publications] K.Nakajima: "A Glass Capillary Microelectrode Based on Capillarity and Its Application to the Detection of L-Glutamate Release from Mouse Brain Slices"Analytical Sciences. 19. 55-60 (2003)
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[Publications] A.Hirano: "Arachidonic Acid-Induced Channel-and Carrier-Type Ion Transport across Planar Bilayer Lipid Membranes"Analytical Sciences. 19. 191-197 (2003)
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[Publications] A.Hirano: "A Single-Channel Sensor Based on Gramicidin Controlled by Molecular Recognition at Bilayer Lipid Membranes Containing Receptor"Biosensors & Bioelectronics. (印刷中). (2003)