2002 Fiscal Year Annual Research Report
WIPKを介したタバコの病傷害シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
14740440
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山口 夕 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 助手 (60335487)
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Keywords | 病害ストレス / 傷害ストレス / タバコ / MAPキナーゼ / プロモーター解析 / 転写因子 |
Research Abstract |
植物は病原体に感染したり昆虫による食害を受けたりすると、その刺激を感知して積極的に抵抗、防御する能力を持っている。タバコにおけるこれらの応答には、MAPキナーゼであるWIPK (wound induced protein kinase)が重要な役割を果たしている。WIPKは、病傷害ストレスを受けると数分で活性化され、下流のタンパク質をリン酸化して活性化すると考えられている。候補としてWIPKと相互作用するタンパク質NtWAF (Nicotiana tabacum WIPK associated factor)を単離している。NtWAFは、そのアミノ酸配列より、転写因子であると予測されている。また、WIPKの活性化はタンパク質レベルだけではなく、転写レベルでも起こる。これまでにWIPKのプロモーター領域約400bpで傷害ストレス応答が起こることを明らかにしている。本研究は、WlPKの下流因子の解析と転写調節機構の解析を進めて、WlPKを介した病傷害ストレス応答機構を明らかにすることを目的としている。本年度得られた成果を以下に記す。 1.WIPL遺伝子の転写を調節しているシス因子の同定とトランス因子の単離 100bp,200bp,300bpのWIPKプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子と連結し、形質転換タバコを作成した。すでに導入遺伝子の確認は終わっており、15年度よりその解析を進める。 2.WIPKとNtWAFの相互作用の確認とNtWAFのDNA結合能の確認 (1)WIPKとNtWAFの相互作用をプルダウンアッセイによって確認した。 (2)NtWAFがWIPKと同様に植物細胞の核に局在することを明らかにした。 (3)NtWAFがAuxREエレメントに結合することを、ゲルシフト法により明らかにした。 (4)NtWAFの過剰発現タバコ、発現抑制タバコを作成した。
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