2003 Fiscal Year Annual Research Report
広塩性両生魚トビハゼの腸上皮分化におけるプロラクチンの役割の分子細胞生物学的解析
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14740458
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 竜哉 岡山大学, 理学部, 教授 (10294480)
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Keywords | プロラクチン / 消化管 / 浸透圧調節 / アポトーシス / 細胞増殖 / コルチゾル / 国際情報交換 / スウエーデン・アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
プロラクチンは多様な作用を持つホルモンである。本研究では、「プロラクチン作用の本質がアポトーシスの抑制および細胞増殖/分化である」という仮説を、広塩性両生魚であるトビハゼを用いて検討する。昨年度までに、トビハゼが淡水、海水あるいは陸上に適応する過程で、各種ホルモンの変動、および消化管におけるアポトーシスと細胞増殖を経時的に解析した。その結果、プロラクチンの発現パターンに伴い、消化管における細胞増殖が淡水中で、アポトーシスが海水適応時に誘導されることを見いだした。本年度は、消化管におけるアポトーシスと細胞増殖を細胞レベルで解析し、以下の成果が得られた。 分裂細胞は、増殖細胞核抗原の免疫組織化学により検出した。免疫陽性細胞は、海水中では哺乳類の腸と同様に陰窩の部分でのみ見られた。しかし、淡水中では上皮全体に散在していた。アポトーシスを起こしている細胞はTUNEL法により検出した。アポトーシス細胞は、淡水中ではほとんど見られない。しかし、海水中では上皮を中心に大体的に同定された。消化管におけるプロラクチン産生細胞も上皮で特定され、プロラクチンとアポトーシス/細胞増殖に空間的にも相関があることが示された。プロラクチンが、アポトーシスの抑制や細胞増殖に関与していることが大いに考えられる。 現在、消化管におけるアポトーシス/細胞増殖のホルモン制御をさらに明らかにするため、ホルモン投与実験を行っているが、コルチゾルによりアポトーシスが誘導されるという予備的な結果も得ている。 今後は、cDNAアレイが開発されている広塩性魚のメダカを用いて、アポトーシス/細胞増殖を分子レベルでも検討してゆく。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sakamoto, T: "Growth hormone and prolactin in environmental adaptation."Zool Sci. 20. 1497-1498 (2003)
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[Publications] Sakamoto, T: "Intraarterial injection of prolactin-releasing peptide elevates prolactin gene expression and plasma prolactin levels in rainbow trout."J Comp Physiol B. 173. 333-337 (2003)
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[Publications] T Agustsson: "Pituitary gene expression of somatolactin, prolactin, and growth hormone during Atlantic salmon parr-smolt transformation."Aquaculture. 222. 229-238 (2003)
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[Publications] 坂本竜哉: "硬骨魚類の環境適応機構の分子細胞生理学的研究-Fishy tales of Adaptation"生物科学ニュース. 380. 27-30 (2003)
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[Publications] Sakamoto, T: "Fishy tales of prolactin-releasing peptide."Int Rev Cytol. 225. 91-130 (2003)