2004 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下における超高濃度溶液からの再沈澱操作による有機ナノ結晶の作製
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14750003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠井 均 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (30312680)
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Keywords | 顔料 / 再沈法 / キナクリドン / パーソナルポンプ / マイクロ波 / インク / トナー / OPC材料 |
Research Abstract |
本年度の若手研究(B)の成果としては、以下の通りである。 対象有機化合物の高濃度溶液と貧溶媒をY字部で混合させる流通式再沈法のセットアップを構築し、同セットアップによる一連の有機ナノ結晶の作製実験では、混合部であるY字部にて、ナノ結晶が詰まり管内圧力が高くなるなどの問題点を残った。その点を解決するため、設備費で購入したパーソナルポンプを用いて、溶液をよく撹拌した貧溶媒中に直接的に注入するという再沈澱処理により、ナノ結晶化を検討した。使用する化合物は、サイズの微細化が特に求められている顔料系の中でも、高級赤色顔料の約半分を占めるといわれるキナクリドンとした。ポイントの一つは高濃度溶液の調製にあったが、溶媒にアミド系溶剤を用いて、且つマイクロ波の照射を施すことにより、約20mMという溶液の高濃度化に成功した。ポンプの最高性能である毎分100mlという注入速度で、同高濃度溶液を貧溶媒である水中に注入した結果、1分間約1gという高効率ペースで、サイズが約50nmでほぼ揃ったキナクリドンナノ結晶を生産できた。作製したナノ結晶は、粉末x線回折法により結晶型はα型であることが判明した。ここで、開発された技術は、サイズをより微小化すること、結晶型の制御、調製された分散液の濃縮方法が将来的に確立されれば、インク、トナー、OPC材料などへの様々な応用へと繋がる技術であることは間違いなく、さらには、カラーフィルターなど高品質化に向けた作製粒子の薄被膜化への実用化も考えられ、今後の研究に期待される。
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Research Products
(2 results)