2003 Fiscal Year Annual Research Report
導電性ポリマーをマトリックスとした量子化ナノ微粒子分散系における三次元配列制御
Project/Area Number |
14750012
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
手塚 美彦 徳島大学, 工学部, 講師 (80236976)
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Keywords | 導電性ポリマー / ポリチオフェン / デヒドロアラニン / ナノ微粒子 / 両親媒性 / フラーレン / 光起電性 |
Research Abstract |
ポリデヒドロアラニンとポリチオフェンを連結した両親媒性導電性ポリマーは,水中で自発的にサブミクロンオーターの微粒子を形成し,強い蛍光を発することが明らかになった.また,この溶液からITO透明電極上にスピンコートして形成した両親媒性導電性ポリマーフィルムにアルミニウムを真空蒸着して作成したセルは有機EL発光を示すことが明らかとなった.この両親媒性導電性ポリマーをマトリックスとしてCdS及びCdSeの半導体ナノ微粒子を配列分散することを試みたが,ポリデヒドロアラニン部の半導体ナノ微粒子の安定化作用が弱く,微粒子の会合が起こった.そこで,尿素クラスターであり単一分子で半導体ナノ微粒子と考えられるフラーレンC60を導電性ポリマーマトリックスに配列分散させることを試みた.ポリアルキルチオフェンの全ての側鎖末端にジフェニルメトキシ基を接続した新規なポリチオフェン分子を合成した.この新規ポリアルキルチオフェンにフラーレンC60を10mol%の濃度で混合し,キャストフィルム及びスピンコートフィルムを作成したところ,その吸収スペクトルはフラーレンがポリマーマトリックス中で高度に分子分散していることを示唆していた.これはジフェニルメトキシ基の開いた二つのフェニル環にフラーレンが入り込む形で存在しているためと考えられる.この形態はジフェニルメトキシフラーレンの単結晶における配列構造からも推測できる.スピンコートフイルムをITO透明電極上に形成し,Alを真空蒸着して作成したセルは光起電性を有することが明らかとなった.ジフェニルメトキシ基を有しないポリヘキシルチオフェンにフラーレンを10mol%の濃度で混合したバルクヘテロ接合セルの光起電性と比較したところ,平均して2〜3倍のエネルギー変換効率が得られた.
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