2003 Fiscal Year Annual Research Report
低コヒーレンス干渉計を用いたスペクトル測定システムの構築と散乱計測への応用
Project/Area Number |
14750025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 勝弘 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30311517)
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Keywords | 低コヒーレンス干渉法 / 動的光散乱 / 拡散波分光 / 粒経計測 / コヒーレンストモグラフィー |
Research Abstract |
昨年度構築した低コヒーレンス干渉計を用いた動的散乱光スペクトル測定システムを用いて、高濃度懸濁液中に分散する微粒子の粒子径推定を行った。測定システムは、2×2光ファイバーカップラーマイケルソン干渉計とスーパールミネッセントダイオード(中心波長811nm、コヒーレンス長30μm)からなり、光検出器によって検出された光強度を、A/D変換器を通してコンピュータに取り込み、動的散乱光のパワースペクトルを計算する。粒子径推定には、従来の動的光散乱法で粒子径分布の解析に用いられているCONTIN法を利用した。 粒子径、300、460、600nm、体積濃度10%の単分散ポリスチレンラテックス懸濁液に対して測定を行い、数%の誤差で粒子径推定が可能であり、粒子径分解能が数10nmであることが明らかにした。これらの結果より。本システムを用いることで、従来の動的光散乱法では測定不可能であった高濃度懸濁液中の粒子径推定が可能であることを示した(従来法では、体積濃度0.1%程度まで)。 さらに、2種類の粒子径の懸濁液を混合した多分散媒質に対して測定を行った結果、それぞれの粒子の大きさ、及び割合を推定できることも明らかにした。これにより、本システムが高濃度多分散媒質に対する粒径分布計測に適用可能であることを示した。 一方、本システムにおける多重散乱光の影響を調べるための数値解析法の開発を行った。解析法は、低コヒーレンス干渉計を用いて測定される動的散乱光のスペクトルを解析するものであり、光子輸送理論、および、拡散波分光理論を基に構築され、モンテカルロアルゴリズムを用いて数値計算を行う。数値解析結果が、本システムにより測定された実験結果とよく一致しており、解析法の妥当性が示された。これにより、本測定システムの性能向上が見込まれる。
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Research Products
(1 results)